作品集 2013年 川柳TOP

4 月 作  品 選  者 備  考 掲載誌
 上手だとほめた瞬間頭掻く 淡路獏眠 選 平番4月宿題   『痒い』 平番5月号
 前向きに古希の手習い立派です 飛田陽子 選 平番4月宿題   『立派』 平番5月号
 集金の金額合ってほっとする 吉岡よしこ選 平番4月課題 『ぴったり』 平番5月号
                         ワンポイントアドバイ 淡路獏眠選 平番4月宿題 『立派』 平番5月号
原 目覚めると五七五言葉となえてる
   中七の「五七五言葉」が体言止めで中七と下五とが
   切れてしまいます。中七と下五のを入れ替えて、
   言葉唱える五七五」とされるとよいでしょう。
添 目覚めると言葉唱える五七五
   中七の体言止めが、絶対に悪いという訳ではありません。
  ただし、中七・下五で七五調のリズムを作る上で切らない方が良いという意味です。
  もちろん、中七を体言止めにしても、上五・中七が意味の上でもつながって五七調に
  なっていれば構いません。
  上五の「目覚めると」が中七の「五七五言葉」に係るのではなく、
  「五七五言葉」が下五の「となえてる」に係るためです。
  七五調と言ってもピンとこないかと思いますが、百人一首の読み札「五七五」の
  中七と下五だと思って頂ければ間違いありません。

 また、現代の演歌でも七五調は使われています。
  例えば、森昌子の「せんせい」では
  淡い初恋 消えた日は    7 5
  雨がしとしと 降っていた   7 5
  傘に隠れて 桟橋で      7 5
  一人見つめて 泣いていた  7 5
  というように、7+5のリズムでできていて、これを七五調といいます。
少しずつ勉強していきましょう。
5 月 作  品 選  者 備  考 掲載誌
 自慢するネタを探して頭たれ 淡路獏眠選 平番5月宿題 『自慢』 平番6月号
 ドリンクと安定剤の舞台裏
 断捨離と言葉のあやで友が去る
 美味しいとポリポリ噛んでいた差し歯
 飯はまださっき食べたよついに来た
 トイレ様昔肥料が今は神
平番5月  『近詠』
☆☆☆みちしるべ☆☆☆ 平番5月  『近詠』
 ◎ドリンクと安定剤の舞台裏
 人間、外では元気な顔をしているが、それを保つためにドリンク剤や薬の世話になって
 実は元気を保っているという方は多いのかと思う。それを実話と「舞台裏」という言葉で
 上手く表現された1句だと思う。
 ワンポイントアドバイス 平番5月宿題 『あゆみ』
         
原 古希迎え学ぶ精神ここからと
  上五の「古希迎え」は『古希」だけで言い表せると思います。又下五の「ここからと」と
  助詞で止めると口調が弱くなります。「ここからと」を「思い立ち」に変えて上五にして
  「学ぶ精神」は「学ぶ」として下五の一部に持っていきます。
  「学ぶ精神」新しいことに挑戦することなので、中七は「新たなことを」とし、
  下五「学ぶ古希」
  と体言(名詞)止めにすると、古希からの挑戦する姿をよりはっきり読むことができます
添 思い立ち新たなことを学ぶ古希
原 ブランドを横目で歩みやはり無駄
  「横眼」は普通「横目」と表します。
  「歩み」別に歩くことを表現するのが目的ではないので「過ぎて」とされると下五への
  繋がりが良くなります。下五の「やはり無駄」ですが、「我に無駄」とされると、
  句の中に自分を読み込むことができると思います。
添 ブランドを横目で過ぎて我に無駄
原 バスツアー吉野の櫻時期読めず
  上五、中七と体言止めが続くので、ぶつぶつ切れた感じがします。
  上五の「バスツアー」を下五に持ってきて、中七を「時期の読めない」と七音にして、
  次のようにされてはいかがでしょう。
添 吉野の櫻時期の読めないバスツアー
平番5月  『近詠』
原 孫自慢いずれ劣らぬ目鼻立ち
 どうしても可愛い孫の話になると、「いずれ劣らぬ」と身びいきになってしまいます。
 多分、他の方と孫の写真を見せ合ってそれぞれの自慢をされているのでしょうが、
 「モンゴロイド(黄色人種)」の日本人なら、整形した人や西洋人のような際だった
 「目鼻立ち」 は無理でしょうから、自慢しているのだけども、
 その自慢は五十歩百歩という視点で詠まれては如何でしょうか。
添 孫自慢モンゴロイドの目鼻立ち
平番5月宿題 『自慢』
         
6 月 作 品 選  者 備  考 掲載誌
 読み返し夜な夜な書いた文破る 堀 さちこ選 平番6月課題吟 『破る』 平番7月号
 肩に手をそっと置かれてほっとする
 得をした気分にさせる五十肩
澤井拓司選 平番6月句会より宿題 『肩』
 楽しみなドラマは何時も子守唄 淡路獏眠選 平番6月句会より宿題 『ドラマ』
 初めての会費払う手震えてる 松岡登代子選 平番6月句会より席題 『会費』
 習い事意欲まとめてブログネタ
 川柳の機関誌めくり湧く意欲
 古希迎え未知の世界の扉開け
 久々に孫の来訪腕磨く
 玉ねぎの収穫待てず葉ごと食べ
 1度でも聞かせてほしい有難う
淡路獏眠選 平番6月『近詠』より
◇◇◇私の好きな句◇◇◇    松岡登代子
  推薦
 飯はまださっき食べたよついに来た
☆☆☆みちしるべ☆☆☆ 淡路獏眠選
 ◎習い事意欲まとめてブログネタ
 作者は、自分のホームページを持っておられ、ブログも書いておられる。
 川柳についても、ホームページ上で習ったことと共に、専門用語をネット上で、
 その記述を探 し出して、リンクを張って、何時でも読み返すようにしておられる
 事には頭が下がる思いだ。
 これを続けられると、自作の川柳専門誌書となると思っている。
☆☆☆ワンポイントアドバイス☆☆☆ 淡路獏眠選
原 筍でご縁つなぎの竹馬友
  「竹馬の友」を省略した、下五の「竹馬友」は普通使われておりませんので
  「竹馬の友と」とし中七にして、中七の「ご縁つなぎの」を「つなぐ縁」として、
  下五にした方がよいと思います。
添 筍で竹馬の友とつなぐ縁
7 月 作 品 選  者 備  考 掲載誌
 おふくろのレシピはないが同じ味 若山宗彦選 平番7月号課題吟『レシピ 平番8月号
 アンコール建前だけで聞き流す 飛田陽子選 平番7月号宿題  『流す
 今月も何とかなると胸叩く 淡路獏眠選 平番7月号宿題  『叩く
 あれこれと糸が絡まる不器用さ
 野草まで採り上げられるエコ時代
 へそくりを貯めたはずだと探す夜
 訃報聞き明日は我が身の適齢期
 継続は力と言った人が去る
淡路獏眠選 平番7月『近詠』より
◇◇◇私の好きな句◇◇◇    若山宗彦推薦
 玉ねぎの収穫待てず葉ごと食べ
☆☆☆みちしるべ☆☆☆ 淡路獏眠選
 ◎へそくりを貯めたはずだと探す夜
 へそくりは誰にも気付かれない場所に隠すからへそくりなのだが、隠してしばらく
 経つと何処に隠したか、隠した本人さえも分からなくなってしまうことがある。
 しかし、必死で貯めたへそくりゆえに、探す姿を見られると元も子もないので、
 夜寝静まってこっそり探している作者の姿が見える佳句だ。
第十六回 川柳講座 淡路獏眠選
原 自己満は三分出来たら満点だ
 上五の「自己満(足)」の造語が気になります。八九の二格調になりますが、
 次のようにされたら、6音字の「自己満足」を使うことができると思います。
添 三分出来たなら自己満足している

略語とは
 川柳で、五七五に言葉をおさめようとすると、どうしても略語を使わざるを
 得ないことがよくあります。
 しかし、略語を使うためには、正しい略語を使わなければなりません。
 世間で使われている略語を自分で作っては、その意味が
 正しく伝わらないことがあります。
8 月 作 品 選  者 備  考 掲載誌
 予報聞き空を見上げて雨支度 豊田芳香選 席題     『低気圧』 平番9月号
 シナリオを塗り替えながら生きる道 安田翔光選 平番8月号課題吟『シナリオ』
 用件は手と顎だけで合図され 若山宗彦選 平番8月号宿題  『合図
 足を踏み噂話の腰を折る 川柳マガジン
10月号
 二度三度聞き返されて大声に 淡路獏眠選 平番8月号宿題  『秘密 平番9月号
 『言わないで』前置きをして皆に言う
 発泡酒ビールに替わる誕生日
 無理やりに方向づけるゴーヤの芽
 トイレでも読み返しする川柳誌
 アンカーが眠りを誘う深夜便
 場が読めず親切心がお節介
 あきらめはやる気も奪い老いるだけ
淡路獏眠選 平番8月『近詠』より
 ◇◇◇私の好きな句◇◇◇    吉岡よしこ推薦
 あれこれと糸が絡まる不器用さ
 ☆☆☆みちしるべ☆☆☆ 淡路獏眠
 ◎無理やりに方向づけるゴーヤの芽
 東日本大震災以来、夏の省エネとして、緑のカーテンが見直され、
 特にゴーヤは省エネ効果と共に収穫で楽しめるという一石二鳥の効果がある。
 しかし、ゴーヤは人間が思うような方向に伸びてくれるとは限らない。
 ゴーヤの伸びるに任せているとスケスケのカーテンになってしまうので、作者は
 均等な緑のカーテンになるように、ゴーヤの芽の向きを変えることに気を配られている。
 ワンポイントアドバイス
 原 明日の為今日をがんばる高齢者
   上五の『為』ですが、昔は漢字表記していましたが、
   今はひらがな表記が一般的です。また、『様に』『又』も
   ひらがな表記にした方が無難です。
 添 明日のため今日を頑張る高齢者
 原 青虫が蝶になって舞う畑
   中の句の、『蝶になって』が六音で字足らずになっています。
   これは、『蝶』を蝶々(ちょうちょ)とされると字足らずを解消することができます。
 添 青虫が蝶々になって舞う畑
 肩に手をそっと置かれてほっとする 平番6月句会より宿題 『肩 番傘
各地区報
 今月も何とかなると胸叩く 平番7月句会宿題『叩く』 川柳番傘
9月号
 得をした気分にさせる五十肩 澤井拓司選 平番6月句会より宿題 『肩 川柳マガジン
10月号
 あれこれと糸が絡まる不器用さ 中国新聞選 平番8月『近詠』より H25/9/26
中国新聞
あんそろじ
9 月 作  品 選  者 備  考 掲載誌
 飲み干したお茶一杯でほっとする 佐々木和則選 平番9月号課題吟『息抜き』 平番10月号
 ダイエット四階までは階段で  松岡登代子選 平番9月号宿題  『階段
 スーパーの値下げ時間を把握する 淡路獏眠選 平番9月号宿題  『賢い
 ハードルの高さを超えるマイペース
 年よりも見かけで決める同世代
 乳房は句にも使えぬあばら骨
 愛犬の話題が結ぶ夫婦仲
 待ち時間スマホの中で読む紙面
 口角を上げて心も晴れる笑み
平番9月『近詠』より
◇◇◇私の好きな句◇◇◇   吉岡よしこ推薦 平番9月『近詠』より
 場が読めず親切心がお節介
へいばん茶房     
川柳との出会い Ba-ba
 先に入会の弟の勧めで、川柳にご縁を頂いた。
「やってみるわ!」と言ったものの、当分は寝ても覚めても575が頭から離れず、
「できないよ!」と断るタイミングを待っていました。
そんな頃、会員さんに会う機会を与えてくれました。
 話しているうちにあれだけプレッシャーに感じていたのが、嘘のように楽になった。
男性と女性の根本の違いを、感じたのでしょうか?
即、メール会員から正会員になりました。こうして川柳と言う最終列車に飛び乗った私です。
 瞬間に感じた事を17文字で、素直に表現していきたいと思っています。
そうしながら先生方の指導のもとで、先輩の方々に習い少しずつでも独りよがりでなく、
共感を得られる川柳を目指して「結果は後からついて来る」1年先か?2年先か?10年先?
 月1回の句会は、会員さんとの触れ合いの場として、楽しく過ごさせて頂きます。
四季の移り変わりや、人情に触れながら17文字をゆっくりと学んでいきます。
 終点はまだまだ遠くにあると信じて…
へいばん茶房
 拗音 「しゃ しゅ しょ・ ちゃ ちゅ ちょ等」 2文字で1文字扱い
 撥音 「ん」 促音 「っ」 長音「−」       単独で1文字扱い
 句跨り(句またがり)とは↓
 七五調とは↓
 http://www.doctor-senryu.com/04_kyousitu/sakku01.html
 平番10月号No18に学ぶ
  『基礎編』
川柳の心得
1、文字数→「五七五」の17音のルールを守るべし
2、発想→ウイットを取り入れるべし
3、雅号(がごう)ペンネーム→よい川柳にはよい雅号を付けるべし
  『準備編』
ネタの探し方
1、視点→日常の喜怒哀楽は、すべてダイヤの原石と思うべし
2、素材集め→あらゆる世界からネタを見つけ出すべし
3、テーマ選び→ネタは鮮度が命!新鮮な切り口を選ぶべし
  『実践編』
作句の“テクニック”
1、毒舌な笑い→普段言いにくい事こそ笑いに変えるべし
2、面白い事を言うのではなく、おかしな光景を切り取るべし
3、粋な笑い→伝えるよりも感じさせるべし
サラセンのトリセツに学ぶ
10 月 作  品 選  者 備  考 掲載誌
 「忙しい」言葉ばかりではかどらず
 夫留守テレビ添い寝で夜が明ける
 脳内の限界知らす司令塔
 「はじめて」と言い訳したい下手な歌
 気乗りせず始めてみると病みつきに
 薄れゆく姉弟の絆よみがえる
淡路獏眠選 平番10月『近詠』より 平番11月号
☆☆☆みちしるべ☆☆☆ 淡路獏眠
 ◎「忙しい」言葉ばかりではかどらず
 
人間だれしも、「忙しい」という言葉を口走ってしまう事が往々にしてあるものだ。
 しかし、「忙しい」と言っても仕事が終わるわけでもないのだが、それを分かっていながら
 作者は口走ってしまうのだろう。
ワンポイントアドバイス
原 録画撮り勝ち試合見て解説し
 下五の「解説し」がし止めになっています。し止めは、「名詞+する」または「名詞+をする」
 の連用形の「名詞+し」「名詞+をし」の事を言い、使わない方がよいものです。
 ここは、「名詞+す(る)」の終止形の送り仮名「る」を省略した形をつかいます。
添 録画撮り勝ち試合見て解説す

原 アウトドア確率を見て実施決め
 上五「アウトドア」と読まれているので、「実施」と言う言葉は不要です。
 それよりは、何の「確率」か分かりづらいので、「降雨確率」とされた方がよいと思います。
添 アウトドア降雨確率見て決める
 孫の手が肩こりよりも気をほぐす  田岡 弘選 平番10月号課題吟『凝る』
◇◇◇私の好きな句◇◇◇   佐伯康子推薦 平番10月『近詠』より
 口角を上げて心も晴れる笑み
◇◇◇平番句会報◇◇◇   淡路獏眠推薦 平番10月句会より
 怒る訳ほとぼり冷めて聞いてみる
豊田芳香選 平番10月号宿題  『そっと
 川柳誌弟の句が側にある 淡路獏眠選 平番10月号宿題  『並ぶ
11 月 作  品 選  者 備  考 掲載誌
 「恥ずかしい」言葉の裏を読むゆとり
 食材は「誤表示です」と上塗りし
 零れ種一足先に収穫し
 叩いたがやはり渡れぬ橋もある
 不安ネタ気に掛けないで生きる技
 優しさと勘違いする無関心
淡路獏眠選 平番11月『近詠』より 平番12月号
ワンポイントアドバイス
原 猫の手で落ち穂拾った収穫季
 下五の「収穫季」が気になります。
 作者は、季節を表現したいと意図されて使われているのではないかと思いますが、
 「収穫期」とされた方が良いでしょう。
添 猫の手で落ち穂拾った収穫期
 幸せとそっと囁く耳元で 松岡登代子 平番11月号課題吟『ムード』
◇◇◇私の好きな句◇◇◇   堀 さちこ推選 平番11月『近詠』より
 薄れゆく姉弟の絆よみがえる
 ◇◇◇平番句会報◇◇◇   淡路獏眠推選
 災害時オール電化は生きられぬ 平番11月宿題『家電』
 同期会白髪を染めて若づくり
 「好きです」と言ってほんのり頬染める 
若山宗彦選 平番11月宿題『染める』
 災害時オール電化は生きられぬ
 真夜中にタイマー入り家事こなす  
淡路獏眠選 平番11月宿題『家電』
 携わる(たずさわる)
 借景(しゃつけい)・・・・・遠くの景色を庭園の一部に見立てること
 禅問答(ぜんもんどう)・・・・・真意がとらえにくい問答・会話
 超絶美技(ちょうぜつびぎ)
 頷く(うなずく)
 填める(はめる) 猜疑心(さいぎしん)
 繰り会う(くりあう) 掴む(つかむ)
 美辞麗句(びじれいく) 大欠伸(だいけんしん)・・・あくび・のびをする事
 黄泉路(よみじ)・・・・・黄泉(よみ)へ行く道。冥途(めいど)への道
 守宮(しゅきゅう)・・・・・ヤモリの別名
平番12月号No.20に学ぶ(漢字編)

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