作品集 2014年

   12 月 作  品  選  者  備  考    掲載誌 
 携帯を探す手段に電話する

ラジコンで飛ばして欲しい上り段

同期会おでん作りに気は乙女

炬燵だし昭和の家でタブレット

祝儀入れ祭り神輿の仲間入り

写真見て衣装を決める同期会
淡路獏眠      11月 近詠      平番12月号 No32 
   ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎ 炬燵だし昭和の家でタブレット

この句は「炬燵
」「昭和の家」という昔ながらの物と「タブレット」
という最先端の機器との対比が面白い句だ。
「昭和の家」と言えば、隙間風が 少々吹き込むことが思い起こされ、
暖房機といえば炬燵か火鉢だった。
その炬燵の中で、「タブレット」を操作されている作者の姿は
昭和から平成への時の移ろいを表されている。
 ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★ 

原 1日の終わり充電列をなす

八九の二格調の句ですが、上の句の「1日の終わり」は「寝る前に」
とすれば五音で収まります。
余った分で、何を充電するかを詠むことが出来ますので
例えば、「スマホ」とすれば、家族のスマホが並んで
充電されている光景を詠むことが出来ます。

寝る前にスマホ充電列をなす
 三年目好きなしぐさが鼻につく 北川周興選  課題吟『逆転』   
 私の一句

不用品生きた履歴とまた仕舞う

数年前から「断捨離」という言葉を耳にするようになり、
古希を過ぎたころから「今ならまだ出来る」
思い切って不用品を捨て、すっきりと生きよう。
10月の爽やかな秋空のもと、まずは物置状態になって居る
子供部屋を開けっ放し、押入れ、積み上げた段ボールなどを
ひっくり返し分別を始める。
物のない時代に生まれ、子育て期間中は、ほしくても変えない時もあり
捨てることに抵抗を感じ、あれもこれも取溜めている。
色あせた包装紙や紙袋、孫の小さくなった衣類などは、資源ごみに、
その内アルバムや日記帳に見入り、時間も忘れ懐かしく想い出にふける。
「やっぱり今年も捨てられない」
またもとに仕舞い直す。
これまでにも、こんなことを何度か繰り返した。
今も、どうしても捨て切らないでいる自分を、
「また収めるの?」
と笑っている句です。
本人執筆  私の一句 
 品定めいじくり回し去る度胸 梶川健治推薦  私の好きな句(11月号近詠)   
 今日までの賞味期限と腹に入れ 淡路獏眠推薦   平番句会報(11月句会より) 
    席題『名前』11月句会より 
 引き受けて見栄が手伝いやれ難儀 飛田陽子選  宿題『無駄』     
今日までの賞味期限と腹に入れ 淡路獏眠選  宿題『食べる』   
  11 月 作  品   選  者   備  考  掲載誌
 品定めいじくり回し去る度胸

不用品生きた履歴とまた仕舞う

隣からさんま焼く香でレシピ変え

LED買って寿命の比べっこ

毛虫刺し痩せた中指理想の手

萎えた気に我が句活字でしゃんとせい

目的が出来てマンネリから脱皮
 淡路 獏眠    10月 近詠    平番11月号 No31
   ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎ 品定めいじくり回し去る度胸

スーパーや衣料店で、パック詰めされた肉を抑えて確かめたり
、棚の奥から賞味期限の長い品を引っ張り出す
棚に陳列された服を自分に合わせて畳まずに棚に戻す
という光景をよく見ます。
作者はそのような方々を見て良くそれだけの事をして
買わずに帰る度胸があるなと詠んでいるのだ。
   ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★ 

原 酒飲みに車で迎え頼み込む

中七の「車で迎え」の手段を表す助詞の「で」が気になります。
正確には「車での迎え」ですから、助詞の「で」を
省略された方が良いと思います。

添 酒飲みに車の迎え頼み込む
 携帯のメールやりとり絵文字だけ 西村正紘選佐賀県    課題吟『サイン』  
 誰責める早合点も我の性 松岡登代子推薦  私の好きな句(10月号近詠)  
雑念を無心にさせる土いじり  淡路獏眠推薦  平番句会報(10月句会より) 
 病伏すママの頬なで愛おしい
雑念を無心にさせる土いじり
堀さちこ選  席題『無心』10月句会より  
 せがまれりゃ今日だけだよとまたも言う 若山宗彦選  宿題『せがむ』    
  淡路獏眠選 宿題『予感』  
 空き家にも人待ち顔のユリが咲く    中国新聞あんそろじー 
   10 月 作  品   選  者    備  考    掲載誌 
 孫の手が痒い背中を駆けめぐる

ゴーヤさえ野菜高値で金の珠

ニュースにもならぬ被害に胸痛む

誰責める早合点も我の性

疑いを持たぬ心に薄明かり

夕暮れは蝉の鳴き声さえ寂し
   淡路 獏眠   9月 近詠   平番10月号 No30 
  ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎ ゴーヤさえ野菜高値で金の珠

今年の夏の不順な天候によって、野菜の価格が高騰して、
キューリなどは3倍位の値段になっているとか。
作者の家では、日よけ代わりに植えられた、
ゴーヤが実をつけているのだが、
それすらも、貴重な野菜となっているのだ。
  ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★ 
 長雨で過ぎた真夏日指を折る  淡路獏眠選 へいばん時事川柳 
 菜園で採れたトマトで箸休め 吉岡よしこ選   課題吟『サラダ』   
 夏休み体力つけて孫を待つ  佐伯康子推薦 私の好きな句(9月号近詠)  
弁当の蓋取照れるハート海苔   淡路獏眠推薦 平番句会報(9月句会より) 
 いちじくの時期は稲刈りしんどいよ  豊田芳香選 席題『回想』   
 弁当の蓋取照れるハート海苔
若葉車を徐行運転我は喜寿
 飛田陽子選 宿題『マーク』   
 長電話弾む会話で我不眠
苦手だと前置きすれば楽になる
淡路獏眠選  宿題『苦手』 
  9 月 作  品   選  者   備  考    掲載誌   
 西日除けゴーヤ料理で凌ぐ夏

夏休み体力つけて孫を待つ

初参加誰誘うかと踊る胸

朝市に故郷を映すナストマト

トマト熟れカラス先越しやれ悔し

ごろ寝にはエアコン無駄とやせ我慢
  淡路 獏眠   8月 近詠         平番9月号 No29
   ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎ 夏休み体力つけて孫を待つ

子育てを終えて一段落ついた作者としては、
夏休みの孫の来襲はこの上なく嬉しい行事だが、
子育て時代の体力はなく、子供のパワーに負けてしまうのだ。
今年は体力をつけて孫と沢山遊ぶぞという
作者の意気込みが感じられる。
   ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★ 

原 体力を維持させねばと負荷掛ける

中七の「維持させねばと」が気になります。
本来の日本語ならば「維持させなければ」だと思いますが、
字余りになってしまいます。
ここは受け身を止めて、「維持するためと」とされると
すっきりすると思います。

添 体力を維持するためと負荷掛ける
 立つ度に妻に用させ我肥満 八木柳雀選   課題吟『ついで』  
 空き家にも人待ち顔のユリが咲く 飛田陽子推薦  私の好きな句(8月号近詠)  
 四畳半両手伸ばせば事足りる 淡路獏眠推薦  平番句会報(8月句会より)  
 バックにはいつも風呂敷待機する
四畳半両手伸ばせば事足りる
松岡登代子選  席題『便利』  
 休耕地ひまわり咲かせ活性化
青空と大輪眺め胸がすく
 若山宗彦選 宿題『ひまわり』  
 夫寝てリモコン自在我の城
天守閣眺める街に見る栄華
 淡路獏眠選 宿題『城』  
   8 月 作  品   選  者  備  考     掲載誌  
 梅酒漬け出来栄え試し酔うほろり

タブレット指1本で事足りる

短冊にみんな仲良くにっこりね

梅雨晴れ間家事増え疲れ摂る昼寝

空き家にも人待ち顔のユリが咲く

青梅の絵手紙届き時期を知る
 淡路 獏眠      7月 近詠       平番8月号 No28
  ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎ 梅雨晴れ間家事増え疲れ摂る昼寝

最近は風呂場に洗濯乾燥機の付いた家も多くなっているが、
梅雨の晴れ間は、主婦にとっては、選択や布団干しなど
雨の日に出来なかった家事をまとめてやらなくてはならない日なのだ。
それゆえに、疲れて昼寝をするという人間らしい行動が、
微笑ましく感じられるのだろう。
   ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★ 

原 巨人戦魅せる粘りに沸くファン

下の句の「湧くファン」が四音字で字足らずになって居ます。
「ァ」を含めてア行、ヤ行の小さい文字は、一音字と数えません。
小さく表記する仮名で、一音字に数えるのは「っ」だけです。
ここは「沸く」を「沸いた」とすると字足らずを解消できます。
 生ものの賞味期限を決める鼻  田岡 弘選  課題吟『生』 
カープ戦勝も負けるもやれ難儀  吉岡よしこ推薦  私の好きな句(7月号近詠)  
 その場では分かっているが癖が出る  淡路獏眠推薦 平番句会報(7月句会より)  
 その場では分かっているが癖が出る
うなずいて折り合いついた後愚痴る
 松岡登代子選 席題『納得』 
 梅酒漬けたっぷり味見梅残る
やっと今余暇たっぷりを生かす趣味
若山宗彦選  宿題『たっぷり』 
 消し忘れ譲り合っても5分と5分 淡路獏眠選  宿題『電気』 
 原発が主役退くエコ時代      中国柳檀(中国新聞)
  7 月 作  品   選  者   備  考  掲載誌   
 所帯持ち息子律義に祝いくれ

ビデオ撮りコマーシャル見ず早送り

バイキング欲で飲み食い医者通い

楽しさは過去を追わずに今日に見る

人を呑み背中押されて立つ舞台

カープ戦勝も負けるもやれ難儀

 淡路 獏眠   6月 近詠      平番7月号 No27 
  ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎ 楽しさは過去を追わずに今日に見る

昔は良かったな〜と過去を回想して生きる人と、
今を大切にして今を楽しむ人とに分かれるようだ。
作者は、後者であり、今日と言う日を前向きに生きて
その中から「楽しさ」求められているのだ。
  ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★     
 一呼吸入れりゃアイデア知恵も湧く  安田翔光選 課題吟『休む』 
 綴る文思いの丈にこだまあり  掘 さちこ推薦 私の好きな句(6月号近詠 
 まだ強い指相撲では孫に勝つ 淡路獏眠推薦  平番句会報(6月句会より) 
  若山宗彦選  席題『化粧』 
 ハングリー精神親に手を合わす
まだ強い指相撲では孫に勝つ
 飛田陽子選 宿題『強い』 
 悪かった口では言えず文字見せる
手紙より用件だけをメールする
淡路獏眠選  宿題『手紙』 
 断れば次がないので参加する  森口美羽抄 番傘 4月句会  番傘各地区報
 ブログネタ想い出してはアップする 飛田陽子選  平番3月号   川柳マガジンMEGA柳誌報
  6 月 作  品   選  者  備  考 掲載誌  
 験担ぎ花見むすびを5個とする

嫁舅メールで済ます意思疎通

詠んだ句の絵手紙届き励まされ

綴る文思いの丈にこだまあり

子手毬が頭を垂れて送迎す

連休はエコ対策にゴーヤ植え
 淡路 獏眠        5月 近詠     平番6月号 No26
   ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎ 綴る文思いの丈にこだまあり

作者は電子メールではなく、手紙を書かれたのだろう。
思いの丈を綴った手紙に返事が来て、「こだま」
の表現で分かるように、自分の思いが相手に伝わったという
満足感に浸って居られるのだと思う
 ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★

原 オブラード本音を包み誤解され

上五の「オブラード」が気になります。
語源はオランダ語の?oblaat”ですから、「オブラート」
が正確な表記になります。
この他、外来語の方かな表記の方法が変わって、
より言語の発音に近くなるように変わっていますので、
注意してください。

添 オブラート本音を隠し誤解され

原 兜飼う早く来い来い夏休み

上五の「兜」はかぶと虫の事を表されているのですが、
「兜虫」とフルネームで表されるのならばわかりますが、
「虫」略す場合には「カブト」とカタカナ表記にされると虫(生物)
と言うことが分かります。

添 カブト飼う早く来い来い夏休み
 原 短命の記録破りを姉に掛け

下五の「姉に掛け」の「掛け」の漢字が間違っています。
「〜に託されている」と言う意味の「かける」は
「懸ける」を使います。

添 短命の記録破りを姉に懸け
 間際まで読み書き直しこの程度 佐々木和則選  課題吟『もっと』   
齋藤千恵美推薦  私の好きな句(五月号近詠) 
 弟が走って転ぶ夢の中 淡路獏眠推薦  平番句会報(五月句会)
 弟が走って転ぶ夢の中 松岡登代子選  席題『夢』 
   豊田芳香選 宿題『飼う』 
 アニメ館孫同伴のスポンサー 淡路獏眠選  宿題『アニメ』 
 意思疎通取れないままの五十年 森口美羽抄  番傘3月句会  番傘各地区報 
  5 月 作  品  選  者  備  考    掲載誌 
 早起きで先着順をゲットする

日常は当たり前だけあればよい

ティータイム嫁に貰った菓子勧め

隠し事伝えるたびに「内緒にね!」

詠んだ句を篩にかけて読み直す

連れ合いが出かけた後の大掃除
 淡路 獏眠    4月 近詠          平番5月号 No25 
  ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎早起きで先着順をゲットする

前日の折り込みチラシに「先着○○様限り」
と言う広告が入っていたのだろう。
それを逃すとすごく損をした気分になるのも人の性だ。
何とか商品をゲットするために、早起きまでされたという句だが、
消費税増税に対して、1円でも安い品を
と探す主婦の知恵でもある。
   ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★

原 書かねばと日々の暮らしはネタ探し

中七の「日々の暮らしは」の助詞の「は」が気になります。
助詞の「は」を使った場合には、「暮らし」=「ネタ探し」となりますが、
暮らしのすべてが、ネタ探しではありませんので、
「暮らしの中で」と言う意味で、存在の場所を示す「に」
を使われると良いと思います。
ただし、「で」を使うと、その前の「暮らし」を強調して
本来言いたい「ネタ探し」が薄れますので、要注意です。

添 書かねばと日々の暮らしにネタ探し
雨上がり山をバックに虹を見る  風呂本薫 選  課題吟『光』  
 探し物疑う前にもう一度 北川周興推薦  私の好きな句 (4月近詠) 
 断れば次がないので参加する 淡路獏眠推薦   平番句会報(4月句会より)
 早合点勘違いして恥を描く  掘さちこ選 席題(4月句会) 
 これ以上飲むは毒だと捨てる酒
喜寿間地かほどほど知って酒を断つ
 若山宗彦選 宿題『断つ』 
 断れば次がないので参加する 淡路獏眠選  宿題『誘う』 
  平番年間 作  品  選  者   備  考   掲載誌 
       
 集金の金額合ってホッとする

うろうろと孫待つ時間手はお留守

久々に孫の来訪腕磨く

一度でも聞かせてほしいありがとう

へそくりを貯めたはずだと探す夜

要件は手と顎だけで指図され

乳房は句にも使えぬあばら骨

「はじめて」と言い訳したい下手な歌

「恥ずかしい」言葉の裏を読むゆとり

名月や足音残し帰路急ぐ

連れ合いが心の中を七分占め

リケジョまで見出しに使う新聞社
淡路 獏眠  平成25年5月〜
平成26年3月迄 
平番年間
25年度 No24-2
  4 月 作  品  選  者  備  考  掲載誌 
 かき餅が郷愁そそる同世代

やる気なさ年のせいだと言い逃れ

探し物疑う前にもう一度

寝付かれず羊を数え束にする

1年の目標まずはクリアする

香り立つ送り迎えのヒヤシンス
淡路 獏眠   3月 近詠       平番4月号 No24
   ☆☆☆みちしるべ☆☆☆ 淡路 獏眠 
   ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★ 淡路 獏眠 
 平番時事川柳

増税で身近になった電子マネー

4月からの8%への増税消費税増税で1円玉の出番となるのだが、
最近は電子マネーの発達で、JRの乗車賃などは、
現金の場合10円単位で四捨五入されるのだが、
電子マネーの場合、1円単位で取引できるのだ。
 淡路 獏眠選
 少しずつ気を使いあい築く仲 吉岡よしこ選  課題吟『気兼ね』 
 反省の数の割には悟りなし 風呂本薫推薦  私の好きな句 
意思疎通取れないままの 五十年  淡路獏眠推薦 平番句会報 (3月句会より)
  豊田芳香選  席題(3月句会) 
猫の手で落穂拾った農繁期  飛田陽子選  宿題「猫」 
 意思疎通取れないままの五十年 淡路獏眠選  宿題『ちぐはぐ』 
ご無沙汰を詫びる夢見て目が覚める  森口美沙 抄  1月句会   番傘各地区
 3 月 作  品  選  者  備  考 掲載誌 
 出不精が優待当たり腰上げる

聞えぬと内緒話を聞き返す

反省の数の割には悟りなし

フリーパス乗り継ぐ度に得気分

「いまでしょう」迷う気持ちの背中押
淡路 獏眠    2月 近詠     平番3月号No23
  ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎聞えぬと内緒話を聞き返す

他人には聞かれたくないから、耳元で内緒話を囁くのだが、
「あぁ、何!聞えんが〜」などと言われると、その瞬間から
内緒話が内緒話でなくなるのだ。
  ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★

原 ほどほどを教えてくれる朝の体

下の句の「朝の体」が六音字で字余りになって居ます。
「朝の体」を他の言葉に言い換えることは出来ませんが、助詞1字を足すと
七音字になりますので、それを中七に持ってきて、
中七の「教えてくれる」を五音字にする方法があります。
この句の場合、「言うている」とされると良いでしょう。
それに合わせて、上五も「ほどほどに(しろ)」か
「ほどほどと」と助詞も中七に合わせて変えたほうが良いでしょう。

添 ほどほどに朝の体が言うている

原 今日行くが大事からと外出す

中の句の「大事から」が六音字で字足らずになって居ます。
これは、「大事だから」とすれば字足らずを解消することが出来ます。

添 今日行くが大事だからと外出す

しかし、上五の「今日行くが」措辞も普通使わない日本語なので気になります。
この句の場合は、上の句を「今日行くことが」と七音字に、
中の句を「大事だと」として七五五の定型にした方がしっくりくると思います。

添 今日行くことが大事だと外出す

原 「まだ飲むの?」分かっているのに聞いてみる

「中の句の分かっているのに」が八音字で字余りになって居ます。
最近の日本語では、「い抜き言葉」として「い」を省略することは、
文法に反すると言う方もいらっしゃいますが、
実際の話ことばとしては、既に「い抜き言葉」が放送の場でも
使われていますので、この句では、「分かっているのに」
とされると良いと思います。

添 「まだ飲むの?」分かってるのに聞いてみる
へいばん時事川柳

消費税上がる前にと売り文句

今年の4月1日から消費税率が5%から8%に上げられます。
商魂たくましい業者は、アップ分を折り込んだ資料を持参する。
今の内に買った方が得だというセールも行われている。 
淡路獏民選 
ブログネタ想い出してはアップする  飛田陽子選  課題吟『大丈夫』   
 予習して努力隠しの見栄っ張り  若山宗彦推薦 私の好きな句  平成26年近詠より 
 リケジョまで見出しに使う新聞社  淡路獏眠推薦 平番句会報  平成26年句会より 
また言うのおやじジョークにしんとなる  堀さちこ選  席題『 黙る』 2月句会 
  松岡登代子選  宿題『出る』  2月句会 
 リケジョまで見出しに使う新聞社
「あけおめ」と「ことよろ」だけの年賀状
淡路獏眠選  宿題『意味』   
パソコンに脳内すべて管理され  森口美羽抄  12月句会   番傘各地区報
 2 月 作  品  選  者  備  考 掲載誌 
予習して努力隠しの見栄っ張り

朝刊も一夜明ければ資源ごみ

喋るほどボリュウム上げてテレビ観る

お千代さん歌が伴侶のサプライズ

冬至だとカボチャと柚子に知らされる

おせちにもレシピ探して新メニュー
 淡路獏民選
  
1月 近詠     平番2月号No22
 ☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎予習して努力隠しの見栄っ張り 

人前で何かを話したり、やる場合には、
どうしてもスマートにかっこよくやりたいというのが人の性だ。
しかし、しかし他人には自分の努力している姿は見せたくないのも人情だ。
その気持ちがよく現れた佳句だと思う。
 ★★★平番ワンポイントアドバイス★★★

原 プレゼントゲームに添える知育本

この句のポイントは、「(サプライズ)プレゼント」だと思います。
上五の「プレゼント」と、下五の知育本を入れ替えて、
子供の勉強になる「知育本」と子供を遊ばせる「ゲーム」
の取り合わせと言う、サプライズの部分を前に持ってこられると
どうでしょうか。

添 知育本ゲームに添えてプレゼント
淡路獏眠 
☆☆☆ へいばん時事川柳☆☆☆

5千万都知事を棒に振る魔力

猪瀬直樹前東京都知事が、徳洲会グループからの5千万円の
資金提供問題で都知事を辞任した。
辞任に至るまで、説明が2転3転し、口を開くたびに
矛盾点がまた出てくる状況だった。
                 ▽ ▽ ▽ 私の1句▽ ▽ ▽

                寄り添えとふぐ三昧のの一周忌


  今は亡き義兄は、2階の階段から落ち救急車で運ばれたが、
 意識不明のまま約半年後に亡くなられた。
 去年11月1周忌法事の時の事です。
 お坊さんの話は、幼稚園を営まれるお寺さんだけに、とても分かりやすく頷けた。
 「法事は、亡くなった方の霊を慰める為でもあるが、残された家族や親族が
 仲良く寄り添ってほしいという意味もあるのですよ!」
 普段から無口だったうえに、妻や子兄弟に何も言うことなく
 逝かれた義兄を想う。
 読教の後の会食は、下関だけに、ふぐのフルコースです。
 「1周忌に参って、こんなにご馳走になっていいの?」
 義姉は言う。「皆で一緒に、飲んで食べて喋ってくれるのを主人は喜んでいるよ、
 沢山飲んで食べて想い出話でも、してあげて!」
 「千の風になって」の歌詞のように、まるで義兄が、
 側で黙って見守ってくれているような気分になりました。
 関門海峡の見渡せるビジネスホテルに1泊した時の句です。
自薦   私の一句
一服に一期一会の濃さを飲む 島本夏好推薦  私の好きな句
 ご無沙汰を詫びる夢見て目が覚める 淡路獏眠推薦  平番句会報(1月句会より) 
頑固者任せるすべを学ぶ年  飛田陽子選  席題「任せる」 
ご無沙汰を詫びる夢見て目が覚めた
連れ合いが心の中を七分占め 
 若山宗彦選 宿題「不思議」 
踏まれても又踏まれても芽を伸ばす  淡路獏民選  宿題「足場」 
災害時オール電化は生きられぬ  森口美羽  11月句会 番傘各地区報
1 月 作  品 選  者 備  考 掲載誌
元旦に葉巻くわえて煙追う 賀 正 ・ 甲 午 平番1月号No21
名月や足音残し帰路急ぐ

鬼笑う来年に向け想い馳せ

逆転し鬼の居ぬ間の鬼となる

寄り添えとふぐ三昧の一周忌

愚痴話まだ脈ありの夫婦仲

一服に一期一会の濃さを飲む
淡路獏眠 選 平番12月 『近詠』
☆☆☆みちしるべ☆☆☆

◎名月や足音残し帰路急ぐ

 川柳では「季語・切れ字は使わなくてもよい」
 というルールがあるが、使ってはいけないということではない。
 また、季節も俳句のように今を詠む必要もない。
 これは、川柳→前句附→連歌(句)の平句、と川柳の歴史を遡れば、
 「連歌(句)の平句」のDNAを引き継いでいるからだ。
 この句は、十五夜の月が昇っているのだが、その月を愛でることもなく、
 待っている人のいる家路を急ぐ」という人間を詠まれているのだから、
 季語・切れ字があろうとも、川柳なのだ。
へいばん時事川柳

 福袋アベノミクスで手が出せず

 今年四月からの消費税率8%に上げることが正式に決まったが、
 庶民としてはまだまだアベノミクスの恩恵にあずかっていないのが実情だ。
 庶民の対抗手段としては、買い控えしか手はないのだ
 被災地へ安らぎ運ぶ伝書鳩 若山宗彦 選 平番12月課題吟『欲しい』
 優しさと勘違いする無関心 豊田芳香 推薦 私の好きな句
 パソコンに脳内すべて管理され 淡路獏眠 選 平番句会報
 お歳暮で建て前だけのおつきあい
 生きてるよ知らせるための年賀状
飛田陽子 選 12月席題 『送る』
 子育ても塩で甘さのさじ加減
 整理して前より増えた探し物
若山宗彦 選 宿題 「失う」
 足を踏み噂話の腰を折る 若山宗彦 選 平番9月号『合図』 川柳マガジン10月号
棹(さお) 鍬(くわ)汲む(くむ)
?め(ひそめる)
凄み込め(すごみこめ)
捌く(さばく)
暫ばし(しばし)
忙中閑(ぼうちゅうかん)とは
どんなに忙しい中にも、わずかな暇はあるものだということ
隕石(いんせき)とは→地球上にはない不思議なパワー(波動)を有した
パワーストーンと呼べるべきものが「隕石」です。

ラジカルとは→過激・極端な
エイジレスとは→英語の「エイジ(年齢)」と「レス(ない)」の合成語「年をとらない」
という意味だが、
福祉関係では「年齢による格差や障壁のない」という意味にも使う
ナルシストとは→自己陶酔型の人
平番1月号No.21に学ぶ