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新春のお慶びを申し上げます。

昨年は格別のご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。
今年も引き続きご指導頂きますようお願い申し上げます。
第272回定期宗会終了後、小職が2年前から気がかりでした病の治療で約一ヶ月入院した為に、宗会報告が今日まで遅れましたこと申し訳なく存じます。12月下旬に退院し、年末からやっと机にけるようになりましたので、宗会報告をさせて頂きます。
    平成16年1月5日                   福 永 鐵 馬

           「第272回宗会報告」
今宗会は10月29日に開会し、11月10日に閉会しました。今回は決算宗会でしたが、財務承認議案 第1号から第29号までと、法規議案 第1号から第6号までを原案通り承認しました。その詳細につきましては、本願寺新報・宗報をご参照願います。
今宗会は各委員会の審議、通告質問にも然したる問題はなく順調に推移致しましたが、僧侶会派間で、前宗会報告で述べました機関代理店設立問題が宗会開会直前までくすぶり、相変らずの会派優先の駆引きがあったらしく、開会が月末ぎりぎりとなり13日の会期中、休会が4日もある日程となりました。そのための時間、経費のロスは大きく、慣例となっている議会開催日程に問題を残しました。(法規では開会日は2ヶ月の余裕があります)
ご案内のように議事終了後、武野総局は「750回大遠忌法要の向けて、挙宗一致の体制を確立する」との意思表明をして総辞職を致しました。
武野総長は「拓く伝道・一歩前へ・一人でも多くの念仏者を」等の新たなスローガンを掲げ、国内外への積極的な布教・伝道に積極的な施策を進められ、総局部門の組織改革を精力的に実行に移された功績は大きく、深甚なる敬意を表するものであります。
新に発足した不士川総局は、正に挙宗一致を標榜した総局を構成され、斬新な宗門体制の確立と大遠忌に宗門再興を願う全宗門の願いを達成されるものと期待致しております。

さて、懸案の機関代理店「プラニ」については、様々な情報が宗門内外に飛び交いました。これについて、D議員が小職の前宗会報告の内容に問題を投じ、その文書による数回のやり取りの中で、多くの資料を調査し論戦を行いました。最終的に、機関代理店「プラニ」設立と現実の存在については互いに了承して終りました。それに関連する調査の中で小職が解明し、判断した事を踏まえて纏めましたので報告いたします。
 先ず「プラニ」設立は西山まり子代表が本山及び一般寺院、関係学校等の災害保険の見直しと保険料の軽減、ひいては宗門の歳入増が見込める提案書を提出し、総局会議で承認され、設立登記し(一部本山の指示で錯誤訂正)総局に報告致しました。その手順、手続きに於いて、総局も了承し全く問題はありませんでした。
 そもそも機関代理店設立を総局が承認した背景には、本派の災害共済が破錠した後、災害共済に代わる保険制度の提案を各社に求めた際に、西山氏が東京海上火災から一般の災害保険より30%も安価な保険提案を引き出し(他社は全て約10%ダウン)本派に提示しました。 また、西山氏が東京海上火災の代理店として本派と契約した災害保険料が大幅に軽減された実績がありました。
 しかしこれにより、これまでの一社の独占契約で高い保険料を取得していたニッセイ同和がシェア復権を図り、同社の会長であり本願寺総代の岡崎氏(2月定期宗会の通告質問で、出口議員が実名を挙げた)が議員に働きかけて、機関代理店設立にクレームをつけたことから混迷が始まったと考えられています。その上に公室長の懇志進納金1千万円の出所が不透明という風評にからめて、 (宮崎総務の調査報告に風評と事実は異なっており、疑いを証明するものはないとある)公室長が独断で〔プラニ〕設立を画策したと言うとんでもない暴論(若しそうであるなら、前宗会での桑羽担当総務の財務方針演説及び出口議員への答弁、また総局が「プラニ」設立報告を了解したことの整合性がなくなる)をもとに機関代理店構想を白紙に戻すことを決定しました。この決定は、前述の総局会議の決定とその後9月までの当該協議会などの経緯を無視したものであります。
これは問題を政争に利用しようとする一部議員の利己的言動があったときいております。若しそうであれば、それは社会性もなく道徳的に問題があるもので宗門の恥を天下にさらすことになり看過できない問題であります。
昨年12月に入って対応委員会(武田・福永参画)が設置されておりますが、小職は意識を一にする良職ある議員を結集して、当初の総局決定の通り機関代理店構想を確立すべく行動を起こして行きます。
以上の経過の中から問題となった数点を列記致します
1、これが第二の北山問題であると恣意的な発言もありましたが、全く異質の問題で対比する何ものもありません。即ち総局が承認し、設立した機関代理店「プラニ」は代表者西山氏独自の会社であって、宗派は出資に於いても、経費に於いても一円の出費も致しておりませんし、損失もありません。
2、「プラニ」を通して東京海上火災が提示した損害保険料金は前述の通りで、本山関係の火災保険料は従来の3000万円が1800万円になっています。
  これを本山だけでなく本派の新しい災害保険制度として、全国の一般寺院に薦めることにより一般寺院も負担が少なくなるなど、本派に有利でデメリットは皆無の構想である実態を見極めることなく、何ヶ月も引き伸ばす無神経な言動は理解出来ません。
  (12月25日の当該委員会に大手損保3社を招き、機関代理店について説明を聞きましたが、東京海上・損保ジャパンの二社は、機関代理店設置はメリットが大きいことと、設立の問題点を詳細に説明し、官公庁、企業、大学、宗教法人の多くが設置している現状から本派も是非実行すべきとの意見を述べました。しかし、ニッセイ同和火災だけはテーマの機関代理店のよい事には一切触れず、運営の仕方によって問題が起こるなど言わば常識的な事象を羅列しました。明らかにニッセイ同和の独占的シェアが崩れたことから、この機関代理店構想を排除する意思表明をしたと理解しました。
  なお、ニッセイ同和を除く、東京海上、損保ジャパン、富士、三井住友の4社は「プラニ」を代理店として本派との取引に参入しております。
3、最終的に、「プラニ」 承認のクレームの根拠は懇志1000万円の出所でしたが、前述の宮崎総務の報告でも明らかなように、機関代理店設立とは全く関係ありません。何れにせよ進納された懇志の出所を疑うことは無礼極まる言動であり、進納者の名誉を毀損し誣告に値する言動であります。そのように疑いがあるのなら進納者に返還すべきです。
  現に山内公室長は疑念を抱かせたことに遺憾の意を表し、返還を要請していますが、総局は未だに返還していません。ということは不透明といいながら受納しても良いと判断していると考えられ、言動に一貫性がないと言わざるを得ません。進納者が宗務員だから現在まで問題が大きくならずに済んでおりますが、若しご門徒であったら大変な事になっていたでしょう。人に道を説く立場の宗門人の言動であれば信じられないことであり、基幹運動の理念上からも問題ではないでしょうか。
  尚、前総局に於いて当該協議会(会員は各会派の会長)が3度開かれ、機関代理店「プラニ」の存続を承認してきましたが、第4回目の会議に於いて「プラニ」設立は公室長の独断専行であるとして、公室長を更迭し、東京に2ヶ月、次いで北海道と転じました。
  しかし機関代理店構想は必要であるので、改めて検討すると言う結論を出しました。総局が決定した構想に横槍を入ったため、根拠のない理由で部下に責任を転嫁してまで中止しようとした行為は、宗門行政の不透明さと無策を天下にさらす事になります。
  「プラニ」には全てに於いて瑕疵はありません。何故「プラニ」を機関代理店として承認し、本派も機関代理店も良いことだけのプロジェクトを素直に認めないのか理解に苦しみます。懇志に問題があるのならその不透明である証拠を明確に説明し、返金すればいいことが理解できないのでしょうか。この構想を実行に懸念があったとしても、2〜3年実行してみて問題があれば新たな代理店を指定すればよいことです。その間もその後も宗門には一切損失は発生しません。
  結論として、この混乱は他から圧力があったとしても、総局の一貫性のない対応と事実を曲げてまで豹変した言動、一部の情報にあった一部議員の利己と会派優先の思惑からの権益を固執した言動が起因していると思います。
   万が一この経緯を無視してこの機関代理店〔プラニ〕を否認した場合、本派の社会的信用は失墜し、大手生保が全て辞退して残った約小二生保二回の倒産のあおりを受け、その後始末に時間と労力と資金を費消した福祉年金共済制度の轍を踏むことになる可能性があります。
   又、機関代理店を否認した場合、「プラニ」には全く非がないので損害賠償を請求されたら総局はどのような対応をするのでしょうか。前述のように既に損保4社が参入しており、メインの東京海上火災は損保業界は勿論、全ての企業でもトップクラスの企業であり、既に本派に対して「プラニ」の指導監督を責任もって行うと約束していると聞いています。
以上の報告は全て小職の判断に基づく見解でありますから、錯誤がある際はご容赦頂きますようお願い致します。
                            以 上


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