仙丈岳・甲斐駒ケ岳登山

2000年8月23日〜26日

ずっとずっと昔、山好きの先輩に「日本で2番目に高い山はどこか」と聞かれたが答えられなかった。「南アルプスの北岳だ。山が好きならぜひ登りなさい」。そのとき初めて北岳の名前を知った。その先輩は13年前の1987年7月、50歳という若さで急逝。悲しい葬儀に参列。先輩との話を思い出し、「先輩の追悼登山に北岳に登ろう」と計画。1987年7月の末、北岳の山頂に立った。「先輩! 来ましたよ」。みかんの缶詰で乾杯。「あなたが話していたように間ノ岳、農鳥岳への縦走路がウネウネ続いていますね。大感激です」。富士山、甲斐駒、仙丈岳に励まされ、間ノ岳、農鳥岳・・・へと縦走した。天気に恵まれた山行となった。北岳のガイドブックは本棚の中で13年間眠っていた。今年の夏、そのガイドブックを開いた。北岳の山頂から見た「仙丈岳と甲斐駒」を思い出し、8月末に登った。

8月23日
11時、山梨県JR甲府駅に到着。12時発広河原行きのバスに乗る。山梨交通の車掌さんは面白い。色々説明してくれ最後に「口数が多かったと思いますが登山を楽しまれてお帰りの折にはまた当社のバスをご利用ください」。思わず笑った。広河原に14時到着。バスを乗り換え、14時35分北沢峠に着く。もうすぐ峠というとき、バスが急に止まった。何ごとかと外を見るとカモシカがいた。長衛荘に宿泊の手続き。花の本を買うと長衛荘の奥さんが「裏にオオビランジが咲いていますよ」と教えてくれた。女性のグループと山荘の裏へ。かわいい花だ。「北沢長衛小屋の近くにたくさん咲いていますよ」と女性のグループ。歩いて10分なので行って見た。たくさん咲いていた。また小屋の前にはヤナギランが群生。長衛荘はきれいだ。予約制でゆっくり寝れそう。トイレには「一歩前 外にたらすな 松茸の露」。夜8時に消灯。「ZZZ。GGG」といびきの競演になかなか眠れなかった。
24日
4時に起きて山荘の庭から夜空を見上げると満天の星。とてもきれいだ。天気は快晴。朝食もそこそこに5時に出発。花が多い薮沢コースを登る。1時間位は樹林帯の中。すこし頑張って沢に出た。冷たい水が流れていて道端にたくさん花が咲いている。7時30分馬の背ヒュッテへ。8時30分新築された仙丈小屋へ。ジュースで小休憩。仙丈岳(3033メートル)の山頂へは9時に着く。展望は360度。遠くに白馬岳、五竜岳、鹿島槍ガ岳、立山、槍ガ岳、乗鞍岳、御嶽山、白山、中央アルプスが見える。近くには北岳、間ノ岳。その奥に塩見岳。富士山まで見える。40分くらい展望を楽しみ、10時に下山開始。小仙丈岳コースを下る。13時30分北沢峠に。もう一泊長衛荘に泊まる。心地良い疲れでいびきも気にならずぐっすりと寝た。
                   
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25日
今日も快晴。甲斐駒目指して5時にスタート。双児山コースを登る。1時間30分で2643bの双児山。ここまで登ると甲斐駒の白い山頂がよく見える。下って登って駒津峰へ。たくさんの登山者が休憩している。いよいよ最後の難関、六方石に取り付く。見た目より意外と簡単だった。9時に花崗岩の白砂を踏みしめ甲斐駒(2967b)の山頂へ。昨日と同じく展望は360度。バスの時間が気になり9時40分下山開始。登りと同じコースを東京から来た男性と下る。3時間で北沢峠に無事下山。長衛荘の奥さんにお礼を言って13時15分のバスで広河原へ。広河原で1時間位散策。タクシーで芦安温泉へ。南アルプスの林道の道端にフシグロセンノウが咲いていた。車を止めてもらい撮影。花が好きで親切な運転手さんに感謝。芦安温泉で汗を流した。
26日
山梨県立美術館でミレーの絵画を見学し、12時過ぎの電車で塩尻を経由、名古屋に出て新幹線で広島へ。色あせた13年振りの北岳のガイドブックを道連れに楽しい登山となった。