漢 詩 作 詩 講 座 (15)

漢詩鑑賞・作詩関連書籍の紹介

唐詩選(明治書院・目加田誠著)新釈漢文大系
日本漢詩(明治書院・猪口篤志著)新釈漢文大系
三体詩(朝日新聞社・中国古典選・)村上哲見著
唐詩概説・中国詩人選集・岩波書店・小川環樹著
唐詩鑑賞辞典・東京堂出版・前野直彬著
宋詩鑑賞辞典・東京堂出版・前野直彬著
中国名詩鑑賞辞典・角川書店・山田勝美著
唐詩三百首(1・2・3.東洋文庫・目加田誠・訳)
明治漢詩文集・筑摩書房・神田喜一郎著
杜詩(1〜8・岩波書店。)鈴木虎雄
新唐詩選・(1・2・岩波新書・)吉川幸次郎著
人間詩話・(1・2・岩波新書・)吉川幸次郎著
漱石詩注・(岩波新書・)吉川幸次郎著
新編漢詩読本・福村書店・安岡正篤著

詩韻含英異同辨・東京・松雲堂書店
詩語集成・東京・松雲堂書店
韻別詩礎集成・書芸界・服部承風著
圓機活法・東京・松雲堂書店

清詩別栽集・中華書局
十八家詩抄・中華書局
唐才子傳詩箋・中華書局
清詩三百首・中華書局
唐詩万首絶句・書芸界
日中分類辞典・中華書局

いろいろと漢詩書籍を紹介したが,漢詩と言うと唐詩が中心に語られる。唐詩を理解するのは容易ではない。先ず時代考証・背景・政治体制・等々,研究されてこそ,唐詩が理解される,そこまで行くには膨大な資料・時間が費やされる。

初心者に最初から唐詩を説くのは無理がある。漢籍研鑚以後,唐詩,宋,元,明,清と順序だてるが中道。漢詩を容易に理解する方法が一つ有る。日本の明治・大正時代の漢詩は押韻・規律・総て見習うところが多々ある。日本人は日本の風土に慣れ親しんできた。決して時間の無駄ではない。真の漢詩の正道を理解できない人は日本の漢詩を軽視する,慎みたい。

「明治七百家詩集」「大正五百家詩集」など,現在,これほど実力の有る詩を書ける詩人は皆目無いと断言できる。漢詩は中国では魯迅,日本では土屋竹雨で終わったと言うのが通説である。漢籍のレベルが落ちたのは時代の要因,致し方がない。

土屋竹雨(猗廬詩稿・乾・坤)は一読の価値大。身肌に振るえを覚えるほど感動したのを記憶している。図書館,古本店など入手され,読むことを推薦する。漢詩の真髄を理解することが出来る。蘇東坡を信奉した形跡が覗える。決して中国の詩に見劣りしない。唐詩一辺倒,唐詩二〇五にならない為にも。

唐詩は燦然と輝く。現代人未踏の唐詩に行くまで,清,明,宋,唐と研究することを,先哲者達は教え諭してくれている。経験者は1,2首見れば,その人の実力が判る。唐詩調の模倣だけは避けたい。何故か。先哲者の詩が教えてくれる。漢詩を研鑚すればするほど,意が解かってくる。漢詩作詩は楽しむべきものである。



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