訪聞少華教授有感

硯学清虚聞一多。  碩学 清虚 聞 一多
奥奇独往只論和。  奥奇 独往 只 和を論ず
況令当代冠三絶。  況や当代をして 三絶に冠たらしむ
豈料天涯遂斃戈。  豈に料らんや天涯 遂に戈に斃るとは

 【題意】 聞少華教授を訪ね感有り
  ○ 碩学: 文筆など専門にし、すばらしい功績を残す学者。
  ○ 清虚: 心がおだやかで私心がない。
  ○ 聞一多: (1899〜1946)中国の学者・詩人。湖北省出身。五・四運動の時、清華大学の学生。後、シカゴ芸術学院。コロラド大学に留学。帰国後、諸大学の教授を歴任。1944年、腐敗しきった軍隊の内情を知り、積極的に政治を批判し改革を要求する発言を行う。戦後、昆明で結成された民主同盟の中央執行委員に任じ、46年7月昆明で暗殺された。友人の朱自清・郭沫若らが編集した『聞一多全集』等多数あり。
  ○ 奥奇: 学問の奥深い勝れているさま。
  ○ 独往: ただ一人でゆく。
  ○ 三絶: 詩・書・画。
  ○ 天涯: 地の果て。南の辺境。



          ○ 訪呉鐸画伯待宴酔戯一賦

邂逅披襟文字間。   邂逅 襟を披く 文字の間
良宵相約酒開顔。   良宵 相約 酒 顔を開く
使誰雅操胡弓急。   誰が雅操をして 胡弓 急ならしむ
累累清音第一班。   累累たる 清音 第一班

 【題意】 呉鐸画伯を訪ね宴に侍し酔うて戯れに一賦する。
  ○ 邂逅: (かいこう): 思いがけなく出会う。
  ○ 披襟: 互いに心を打ち明ける。
  ○ 文字の間: 詩・書・画 など、共通とした心通じる仲間のこと。
  ○ 雅操: みやびかな音色。
  ○ 胡弓: 三味線に似てそれより小さい三弦の弦楽器。馬の尾の毛を
         張った弓でひく。
  ○ 累累: しばしば。かさね重ね。
  ○ 第一班: 非常に好い。最高の域。




     
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