冬夜煮茶

朔風捲雪撼書堂。   朔風 雪を捲いて 書堂を撼す
話旧炉辺煮茗茶。   旧を話す 炉辺 茗茶を煮る
拈出拙吟君莫笑。   拙吟を拈出す 君 笑うこと莫れ
詩情長似夜情長。
   詩情の長きは 夜情の長きに似た

   【語意】 冬夜茶を煮る
    ○ 朔風: 雪まじりの北風のこと。


           冬夜読書

雨霰撲窓風颯然。   雨霰 窓を撲き 風 颯然
炉頭軽挙煮茶烟。   炉頭 軽挙 茶烟を煮る
弧燈半夜三餘楽。   弧燈 半夜  三餘の楽しみ
旧史繙来学古賢。   旧史 繙き来たり 古賢を学ぶ

   【語意】 冬夜書を読む
    ○ 雨霰: 雨とあられ。
    ○ 三餘: 勉強に利用すべき三つの余暇。年の余りである冬。
      日の余りである夜。時の余りである雨降りの時。