再遊桂林漓江＋秋郊所見

　　　　　再遊桂林漓江

奇巌怪石聳渓涯。　　　　奇巌　怪石　渓涯に聳える
浮嵐危峰断嶂遮。　　　　浮嵐　危峰　断嶂　遮る
忽憶先人詞句好。　　　　忽ち憶う　先人　詞句の好きを
画図一幅闖黄家。　　　　画図　一幅　　黄家を闖はん

　　　　【語意】　再び桂林漓に遊ぶ
　　　　　　○　奇巌・怪石　めずらしい巌。奇怪な石。　（句中対）
　　　　　　○　黄家・黄大痴。中国の画家。山水畫の第一人者
　　　　　　○　闖　・うかがう。ねらう。

　　　　　　秋郊所見

萬頃黄雲四望嘉。　　　　　　　萬頃の黄雲　四望嘉なり
炊煙騰処有人家。　　　　　　　炊煙　騰がる処　人家有り
疎鐘響断弧村晩。　　　　　　　疎鐘　響断す　弧村の晩
随意残霞送暮鴉。　　　　　　　随意なれ残霞の暮鴉を送るは

　　　　【語意】　秋郊所見
　　　　　　○　萬頃：　ひろびろとしたさま。極めて広い。
　　　　　　○　黄雲：　稲や麦が熟しているさま。
　　　　　　○　疎鐘：　かすかに聞こえる鐘の音。