○○ 雪夜煮茗

夜雪繽紛敲戸風。    夜雪 繽紛 戸を敲の風
残更閑対焙爐融。    残更 閑に焙爐の融するに対す
已過蟹眼生魚眼。    已に蟹眼を過ぎ 魚眼を生ずる
只擬詩懐蘇長公。    只だ擬す 詩懐 蘇長公



【語意】 雪夜煮茗 
 ○ 繽紛(ひんぷん): もつれ、みだれるさま。風にひるがえるさま。
 ○ 残更(ざんこう):  夜ふけ。深更。
 ○ 融(ゆう): 鼎から蒸気がぬけ出て立ちのぼる。やわらぐ。
 ○ 焙爐(ほうろ): 薬草や茶をわかす道具。
 ○ 蟹眼: 湯のわきたつ時の小さいあわ。蟹の眼に似ているので言う。
 ○ 魚眼: 湯の沸き立つ時の大きな泡を魚眼と言う。

 ◇ 蘇東坡・試院煮茶の詩。       
      蟹眼已過魚眼生     蟹眼已に過ぎて魚眼生
 
      飃飃欲作松風鳴     飃飃松風の鳴を作さんと欲す
      蒙耳出磨細珠落     蒙耳磨を出て細珠落
      眩転遶歐飛雪軽     眩転歐を遶って飛雪軽
 
      ・・・・・・・・・・・・      ・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ・・・・・・・・・・・・      ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ○ 蘇長公: 蘇東坡。
 
◇ 長: 両韻。
 
○ 平韻の韻。⇒ながい。
 
● 仄韻の韻。⇒生長。長幼。市長。家長。 
 

                                                     

                                 
         


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