巌島・岩惣楼年頭雅集

旧雨相逢歳亦新。    旧雨 相逢て 歳 亦新なり
吐将清韻動粱塵。    清韻を吐き将つて粱塵を動かす
情懐悟後豈辞酔。    情懐 悟後 豈に酔を辞せん 
贏得壷中天地春。    贏得たり 壷中 天地の春

【語意】 巌島岩惣楼年頭雅集。
  ○ 旧雨: 古い友人。 (旧雨今雨⇒古い交わりと新しい交わり)
  ○ 梁塵: 梁の上の塵。巧みな音楽。昔。魯の虞公という音楽家が
     歌う時は、はりの塵までうごいたと言う故事。




    初夏漫興

孟夏景冲澹。       孟夏 景 冲澹なり
風薫山雨晴。       風薫  山雨 晴れる
残紅穿砌長。       残紅  砌を穿つて長し
新葉過墻生。       新葉  墻を過ぎて生ず
睡味貧堪楽。       睡味  貧は楽に堪える
詩媒夢亦清。       詩媒  夢 亦 清し
垂綸江水畔。       垂綸  江水の畔
休説羨魚情。       説うを休めよ 魚を羨む情

     【語意】初夏漫興
        ○ 孟夏: 初夏。陰暦四月。


                                                            
                           


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