秋日田園

東皋南畝稲梁肥。      東皋 南畝 稲梁肥え 
赤卒成群款款飛。      赤卒 群を成し 款款として飛ぶ
野叟曳牛声叱叱。      野叟 牛を曳き 声 叱叱
老農独帯夕陽帰。      老農 独り夕陽を帯びて帰る

   【語意】 秋日田園
     ○ 東皋南畝(とうこうなんぽ): 東の田・南の方の田。(句中対)
     ○ 赤卒 (せきそつ): あかトンボ。
     ○ 款款 (かんかん): 杜甫・曲江詩(点水蜻蛉款款飛)。
            ゆるやか。ひとり楽しむ。
 



           看 瀑

長夏来攀碧澗辺。      長夏 来り攀る 碧澗の辺
振衣一嘯気如仙。      振衣 一嘯  気 仙の如し
白龍奔躍千尋瀑。      白龍 奔り躍る 千尋の瀑
砕作飛虹雲際懸。      砕けて飛虹と作り雲際に懸かる

  【語意】 看瀑(瀧を看る意。)
    ○ 長夏: 夏。夏の長い日。
    ○ 振衣: 着物をふるってごみをとる。
          「楚辞・漁夫」 新沐者必弾冠、新浴者必振衣。

    ○ 一嘯: 声を長く引いて詩歌をうたう。


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