見似姜祚正先生「蔵字詩」次韻以酬 

謫仙為謝偈中香。    謫仙 為に謝す 偈中の香
巫峡猿啼客思長。    巫峡の猿啼  客思長し
望断大江天萬里。    望断す大江  天 萬里
夢迷特地十旬強。    夢は迷う 特地 十旬の強

 【語意】見似姜祚正先生「蔵字詩」を似すを見て次韻して以って酬いる。
   ○ 謫仙: 俗世界を超越している人を褒めて言う言葉。
   ○ 大江: 長江。揚子江。
   ○ 偈中: (けっちゅう)努力して、たけしいさま。
   ○ 十旬: 十日あまり。



 
      見贈菅正泰先生『愛新覚羅一族書画集』道謝

無復佳人歎陸沈。    復た佳人の 陸沈を歎ずる無し
蒼皇辞闕厭横簪。    蒼皇 闕を辞し 簪を横うを厭う

聖文画訣真詩訣。    聖文 画訣 真の詩訣
料識風儀傳到今。    料り識る 風儀 傳えて今に到るを


 【語意】菅正泰先生『愛新覚羅一族書画集』を贈るを見て謝して道う。
    ○ 陸沈: 人が世の中ですがたをかくしていること。
    ○ 蒼皇: 慌しく世のなかが変わる。あわただしいさま。
    ○ 闕(けつ): 宮城の門
    ○ 聖文: この上ない文徳。天子の文徳。
    ○ 画訣: 画を描く秘訣。


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