○○○ 吊雲巌寺塔 { 蘇州 ・虎丘}

居然形勝虎丘装。       居然たる形勝 虎丘 装う
巨柱摩天古塔槍。       巨柱 天を摩し 古塔 槍く
海湧山高忠血碧。       海湧山高く 忠血 碧く
断梁殿曠陣雲黄。       断梁殿曠く 陣雲 黄なり
墓門曽作琴笙地。       墓門 曾って作す 琴笙の地
史話空労父子王。       史話 空しく労す 父子の王
覇道併将臣節在。       覇道 併せ将って 臣節 在り
尚論呉越奈難量。       呉越を 尚論 奈んとも量り難し


【題目】 雲巌寺塔を吊す。「吊」はもと弔の俗字。江蘇省蘇州市にある
       ”虎丘”で有名。
 ○ 海湧山: 虎丘の別名。蘇州市の昌門外3・5q、山塘街にある。
 ○ 断梁殿: 雲巌寺二門。中柱の両側に各、月梁ご二本ずつあり
          断粱のように見える故言う。
 ○ 墓門: 虎丘の麓にある。
 ○ 父子王: 春秋時代後期の呉王、夫差と闔閭。
 ○ 臣節: 臣下としての操。
 ○ 尚論: 昔しの人の行事のよそあしを論じる。

     付記
    ◇ 1957年修塔時于二層中間発現一個石函。函内蔵経箱印
       『辛酉歳建隆二年二月七日丙午入宝塔』

                                                                                                                                        


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