陪呂山主宰謁頼山陽先生墓

修史東方千古雄。      修史 東方 千古の雄
汪洋文気駕長風。      汪洋たる文気 長風に駕す
唯今来謁青山墓。      唯今 来たり謁す 青山の墓
寒碧琅琅戞玉中。      寒碧 琅琅 戞玉の中

【題目】 呂山主宰に陪し頼山陽先生の墓に謁す。
 ○ 頼山陽先生の墓地は、京都知音院の上方、長楽寺にあった。
 ○ 修史: 史書を編纂すること。
 ○ 汪洋: 水の深くて広く、際限のなさま。転じて、恩沢・度量・文章などの
        広く深いさま。
 ○ 長風: 遠くから吹いてくる風。大業を成就すること。
 ○ 寒碧: 竹の青々とした形容。
 ○ 戞玉: 金石がふれ合うような音色。







   ○○呂山宗師見似一詩次瑶韻以酬 

涼風吹暮鬢飄蕭。      涼風 暮に吹き 鬢 飄蕭
歩到郊墟意転饒。      歩して郊墟到れば 意 転た饒し
秋興撩詩欲無尽。      秋興 詩を撩み 尽き無んと欲す
莫令熱客聴寒蜩。      熱客をして寒蜩を聴かしむ莫れ


【題目】 呂山宗師一詩をしめすを見て瑶韻に次し以って酬いる。
 ○ 涼風: うすら寒い風。 
 ○ 饒: (ジョウ) ゆたか。おおい。
 ○ 撩: (リョウ)いどむ、しかける。
 ○ 熱客: 暑さをおかして、訪れた客。転じて、権勢ある人にこびる俗人。
 ○ 寒蜩: ひぐらし。秋に鳴くせみ。
   



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