無名氏
         長 歌 行

青青園中葵。      青青たる園中の葵
朝露待日晞。      朝露 待日を待ちて晞く
陽春布徳沢。      陽春 徳沢を布き
万物生光輝。      万物 光輝を生ず
常恐秋節至。      常に恐る秋節の至りて
焜黄華葉衰。      焜黄として華葉の衰うるを
百川東到海。      百川 東して海に到れ
何時復西帰。      何れの時か復た西に帰らん
少壮不努力。      少壮にして努力せずんば
老大徒傷悲。      老大にして徒らに傷悲せん

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青々とした園中の葵
その葉に浮く朝露は陽光の照らすのを待って乾く
春は恵みと潤いを広く施し
万物は光輝きを生じて美しい
しかし、秋の季節になるのを常に恐れている
それは、花や葉が赤く黄色になって衰えてしまうことになるからだ
多くの川は東流して海に到り
いつ再び西に帰ることがあろう
若い元気な時に努力しないと、
年老いてから只、虚しく傷み悲しむことになるだろう。



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