古詩十九首   其の十
            迢迢牽牛星

       迢迢牽牛星。   迢迢たる牽牛星
       皎皎河漢女。   皎皎たる河漢の女
       繊繊擢素手。   繊繊として素手を擢んで
       札札弄機杼。   札札として機杼を弄す
       終日不成章。   終日 章を成さず
       泣涕零如雨。   泣涕 零ちて雨の如し
       河漢清且浅。   河漢 清くして且つ浅く
       相去復幾許。   相去ること復た幾許ぞ
       盈盈一水間。   盈盈たり一水の間
       眽眽不得語。   眽眽として語ろことを得ず
語訳。
    迢迢:遠くはるか。
    河漢女::織女星のこと。
    章;紋様
    盈盈:水の満ちるさま。
    眽眽:相い視る状態
詩意。
 七夕の星会いの物語を借用して,夫に分かれて悲しむ女の心情を述べたもの


   07/01/2008     石 九鼎