古詩十九首 其之六   渉江菜芙蓉 (江を渉りて芙蓉を菜る)

     渉江菜芙蓉。    江を渉りて芙蓉を菜る
     蘭澤多芳草。    蘭澤に芳草 多し
     菜之欲遣誰。    之を菜って誰にか遣らんかと欲す
     所思在遠道。    思う所は遠き道に在り
     還顧望旧郷。    還た顧みて旧郷を望めば
     長路漫浩浩。    長路 漫といて浩浩たり
     同心而離居。    同心 而も離れ居すれば
     憂傷以終老。    憂い傷みて以って終いに老いん

この詩。相愛の男の遠い旅にあるのを女が読んだものと解釈する。玉台新詠には枚乗の作とする。
語釈
     還顧::身を廻らし還り見る

     09/06/23
        石 九鼎