鉄　心 鉄心小原名寛字栗卿別号是水美濃人文化十四年丁丑生 　　　　　　　　　偶成 商権在手尚幾先。　　　　商権　手に在り　幾先に尚 巨利漁来城可連。　　　　巨利　漁し来て　城　連らなる可し 千古迂天青砥子。　　　　千古　迂天　青砥子 百万捜得十文銭。　　　　百万　捜し得たり　十文銭 　　　　　　　　　　出遊 京城春事又桃花。　　　　京城　春事　又た桃花 于役三年不在家。　　　　于役　三年　家に在らず 一払風塵期已近。　　　　風塵を一払　期　已に近し 且携紅袖酔煙霞。　　　　且く紅袖を携え　煙霞に酔う 　　　　　　　　　飲無何有荘自題小夢窩壁 隠流未必解風月。　　　　隠流　未だ必らずしも風月を解せず 俗吏何曾知国家。　　　　俗吏　何ぞ曾て　国家を知るや 機務百端閑有味。　　　　機務　百端　閑　味あり 一瓢又此訪梅花。　　　　一瓢　又た此に　梅花を訪う 　　　　　　　　　　偶感 十年征役若為情。　　　　十年　征役　若為の情 七入江都五帝京。　　　　七たび　江都に入る　五帝京 已矣関山残月裏。　　　　已矣　関山残月の裏 白人?髪是鶏声。　　　　人の?髪を白くするは　是れ鶏声 　　　　　　　　　　偶言 百計新民彼一時。　　　　百計　新民　彼の一時 琴堂善治画簾垂。　　　　琴堂　善治　画簾垂 ?来此訣及詞句。　　　　?来　此の訣　詞句に及ぶ 只要渾圓不要奇。　　　　只だ渾圓を要し　奇を要せずを