枕　山 枕山大沼名厚字子壽別号熈堂仙史東京人文政元年戌寅生 　　　　　　納言藤房 可耐禁垣妖?侵。　　　　耐える可き　禁垣　妖?の侵を 披脳去入白雲深。　　　　披脳　去入　白雲の深 秋来夜夜空山月。　　　　秋来　夜夜　空山の月 照見為僧未了心。　　　　照し見る　僧の為　未了の心 　　　　　　梅鶴高士図 偕老芳梅心素淡。　　　　偕老　芳梅　心素淡 双嬉穉鶴態婆娑。　　　　双嬉　穉鶴　態　婆娑たり 世間誰似先生楽。　　　　世間　誰が先生の楽に似たる 豚子獅妻到処多。　　　　豚子　獅妻　到る処に多し 　　　　　　蓮房洗硯 新房承露早冷時。　　　　新房　露を承る　早冷の時 出浴琳理紫汗滋。　　　　出浴　琳理　紫汗滋 好是湖亭濡酔墨。　　　　好し是れ　湖亭　酔墨に濡し 妓裙書破採蓮詩。　　　　妓裙　書破る採蓮の詩 　　　　　　関雲張 阿蒙無復古営存。　　　　阿蒙　復た古営の存する無し ?也祠新世所尊。　　　　?也た　祠新　世の尊ぶ所 一片丹心磨不尽。　　　　一片の丹心　磨けども尽きず 太刀如月照乾坤。　　　　太刀　月の如く　乾坤を照らす 　　　　　　諸葛亮 老龍起臥略相同。　　　　老龍　起臥　略々相い同じ 二表猶於梁父工。　　　　二表　猶を梁父の工　於りも 羽扇綸巾存隠趣。　　　　羽扇　綸巾　隠趣を存す 軍中到底是隆中。　　　　軍中　到底　是れ隆中