| 中国歴代女子選 宋・明代女子絶句 綉梅詩 満 氏（元） 灑灑英標別様奇 灑灑 英標 別様に奇なり 歳寒心事有誰知 歳寒の心事 誰か知る有り 妾心正欲同貞白 妾が心 正に貞白と同じくならんと欲す 枕上慇懃綉一枝 枕上 慇懃に一枝を綉す 舟中漫成 陸 恵奴（元） 爺娘重利妾身軽 爺娘 利を重じ妾身軽し 獨抱琵琶万里行 獨り琵琶を抱いて万里行く 弾後月明人拍手 弾ぜし後 月明 人 拍手す 不知元是断腸声 知らず元と是れ断腸の声 酬鄭生詩（二首之一） 呉 氏（元） 今生縁分料応難 今生の縁分ちて応に料り難し 接得新詩不忍看 新詩に接し得て看るに忍ばず 謾説胸襟有才思 謾に胸襟いて才思あるを説く 却無韓寿與紅鸞 却って韓寿と紅鸞と無し 緑窓遺稿（八首之一） 孫 尢磨i元） 春雨随風湿粉牆 春雨 風に随い粉牆を湿らす 園花滴滴断人腸 園花 滴滴 人の腸を断つ 愁紅怨白知多少 紅を愁い白を怨む知んぬ多少ぞ 流過長溝水亦香 流れて長溝を過ぎ水亦香んばし 折簡復外 韓 氏（元） 碧紗窓下折緘封 碧紗 窓下 緘封を折る 一紙従頭徹尾空 一紙 頭より徹尾 空なし 料想仙郎無別意 料し想う仙郎が別意なき 憶人長在不言中 人を憶う長しえに不言の中にあるを 竹枝詞 曹 妙清（元） 美人絶似董妖[女 堯] 美人 妖[女 堯]を董すに似るに絶えたり 家住南山第一橋 家は住す南山 第一橋 不肯随人過湖去 肯えて人に随がわず湖を過ぎて去る 月明夜夜自吹簫 月明 夜夜 自から簫を吹く 補天花板詩 元 氏（元） 補天手段暫施張 補天の手段 暫く張を施こす 不許繊塵落画堂 許さず繊塵 画堂に落つるを 寄語新来双燕子 語を寄せる新来の 双燕子 移巣別処覓雕梁 別処に巣を移し雕梁を覓む 題画 鄭 充端（元） 青松望極似桃花 青松 望み極めれば桃花に似たり 去去仙源路不[貝 余] 去去 仙源 路[貝 余]らず 便好解衣衝水過 便ち衣を解いて水に衝して過ぐるに好し 洞中午飯熟胡麻 洞中 午飯 胡麻を熟す 竹枝詞（十首之一） 薛 氏（元） 虎丘山上塔層層 虎丘山上 塔層層たり 夜静分明見佛灯 夜静 分明なり佛灯を見る 約伴燒香寺中去 伴を約し燒香 寺中に去る 自将釵釧施山僧 自ら将さに釵釧をもって山僧に施すべし 竹枝詞 張 妙淨（元） 憶把明珠買妾時 憶う明珠を把って妾を買う時 妾起梳頭郎画眉 妾は起って頭を梳ずり郎は眉を画く 郎今何処妾獨在 郎は今 何処 妾は獨り在り 怕見花間双蝶飛 見るを怕れる花間に双蝶の飛ぶを 題灯花 鄭 奎妻（元） 燦爛灯花向夜開 燦爛たる灯花 夜に向って開く 盈盈金粟墜銀台 盈盈たる金粟 銀台に墜つ 梨園料想無他事 梨園 料し想う他事なきを 惟是良人自遠来 惟だ是れ良人 遠くより来たる 即事 阮 碧雲（元） 東君情意漲如瀾 東君の情意 漲ぎり瀾の如く 画閣鴛衾夜不寒 画閣 鴛衾 夜る寒からず 十二楼中春色透 十二楼中 春色透る 好花開遍玉欄干 好花 開いて遍ねし 玉欄干 有感 劉 燕歌（元） 憶昔歓娯不下牀 憶う昔 歓娯 牀より下さず 盟斎山海莫相忘 盟斎しく山海 相い忘るる莫れ 那堪忽爾成抛棄 那ぞ堪えんや忽ち爾が抛棄を成すを 千古生憎李十郎 千古 生憎（あいにく）李十郎 與客遊楽 李 飛仙（元） 桃李芳菲二月天 桃李 芳菲 二月の天 洞房春色十分妍 洞房の春色 十分妍なり 欲知好景無辺処 知らんと欲す好景 無辺の処 倚翠儂紅興獨偏 翠に倚り儂が紅 興 獨り偏るを 悼亡 孟 淑卿（明） 斑斑羅袖湿啼痕 斑斑たる羅袖 啼痕に湿る 深恨無香使返魂 深く無香をして魂を返えさしむを恨む 荳蒄花存人不見 荳蒄花存して人 見ず 一簾明月伴黄昏 一簾の明月 黄昏を伴う 井上行 虞 氏（明） 一片貞心古井泉 一片の貞心 古井泉 清寒徹骨自堪憐 清寒 骨に徹して自から憐むに堪えたり 相看歳暮青青色 相い看る歳暮の青青の色 歴塵氷霜戴一天 歴み塵くす氷霜 一天を戴せる 虞妃 朱 静庵（明） 力尽重瞳覇気消 力尽き瞳を重ね 覇気消じる 楚歌声里恨迢迢 楚歌声里 恨み迢迢たり 貞魂化作源頭草 貞魂 化して作す源頭の草 不遂東風入漢郎 東風を遂はず漢郎に入る リンクは自由です。無断で複製・転載することを禁じます 石九鼎の漢詩館 thhp://www.ccv.ne.jp/home/tohou/rek17.htm |