| 中国歴代女子詩選 五言律詩 述懐寄人 温婉（元） 分手長亭後 手を分かち 長亭の後 音書更杳聞 音書 更に杳かに聞く 離愁応似我 離愁 応さに我に似たるべし 況味不如君 況んや味は 君の如くならず 玉管寧無限 玉管 寧しろ限り無く 蘭猶別有薫 蘭 猶ほ別に薫あり 攀思共明月 攀思 共に明月 心緒正紛紛 心緒 正に紛紛たり 平望舟中即事 朱静庵（明） 獨坐蓬窓下 獨坐 蓬窓の下 挑灯話別離 灯を挑げ別離を話す 旋沽平望酒 旋沽 平望の酒 細味峡川詩 細味 峡川の詩 遠寺鐘声動 遠寺 鐘声動く 孤村月上遅 孤村 月の上ること遅し 含愁緘尺素 愁を含んで尺素を緘る 慰我北堂思 我を慰さむ北堂の思い 傷春 鄒賽貞（明） 誰憐情思苦 誰か憐まん情思の苦 鎮日掩柴扉 鎮日 柴扉を掩う 紫燕依梁語 紫燕 梁に依って語る 残花帯雨飛 残花 雨を帯びて飛ぶ 懶眠翡翠幕 眠に懶うし翡翠の幕 愁織鴛鴦機 愁いて織る鴛鴦の機 春色重相見 春色 重ねて相い見る 遠人猶未帰 遠人 猶ほ未だ帰らず 春草 陳氏（明） 無人植春草 無人 春草を植える 随意発芳叢 随意なれ芳叢を発くは 緑冶郊原外 緑は冶る 郊原の外 青回遠近中 青は回る 遠近の中 罩煙粘落絮 煙は罩み落絮に粘く 和雨襯残紅 雨に和し残紅に襯しむ 不解王孫去 王孫の去るを解せず 凄凄対晩風 凄凄として晩風に対す 苦熱 馬氏（明） 終日雨翻盆 終日 雨 盆に翻える 愁人欲断魂 愁人 魂を断えんと欲す 嶺雲生屋角 嶺雲 屋角に生じ 野水没籬根 野水 籬根に没す 楊柳深蔵徑 楊柳 深く徑を蔵くし 梨花静掩門 梨花 静かに門を掩う 声声偏入耳 声声 偏に入耳に入る 寂寞自朝昏 寂寞 朝より昏し 家園対雪 徐媛（明） 緑野丹雲合 緑野 丹雲 合し 排雲素練沈 雲を排し素練 沈む 壁姿溶暁色 壁姿 暁色に溶け 端氣覆蘭心 端氣 蘭心を覆す 過雁驚天遠 過雁 天に驚き遠く 遊魚潜浦深 遊魚 浦に潜で深し 梁園傲清賞 梁園 清賞に傲り 慷慨遊高吟 慷慨 高吟して遊ぶ 送別 青蛾居士（明） 相看疑是夢 相い看て 是れ夢かと疑う 別恨好誰知 別恨 好し誰か知らん 駅路花将発 駅路 花は将に発くべし 離亭柳漫垂 離亭 柳は漫りに垂れ 浅渚孤舟泊 浅渚 孤舟 泊す 深山匹馬遅 深山 匹馬 遅く 凭欄無個事 欄に凭り個事なく 日々数帰期 日々 帰期を数える 宿紅橋紀夢 景翩翩（明） 夢境還堪憶 夢境 還た憶に堪えたり 紅橋的可疑 紅橋 的疑うべき 豈因填鵲至 豈に填鵲に因って至る 重與牽牛期 重ねて牽牛と期す 落月穿帷淨 落月 帷を穿って淨し 凄風入夜悲 凄風 夜に入りて悲し 無端角枕上 端なく角枕の上 薄命訴蛾眉 薄命 蛾眉に訴える 蛾眉山 端淑卿（明） 東南山秀麗 東南 山秀麗 王孫楽此遊 王孫 此の遊を楽しむ 絶壁懸京口 絶壁 京口に懸る 奔流下石頭 奔流 石頭を下る 漁礁双岸火 漁礁 双岸の火 鴻雁一声秋 鴻雁 一声の秋 捉月人何在 捉月を捉えて人いずくにか在る 依依月満楼 依依たり 月 楼に満つ 編目中所見花木為句 尹氏（明） 風軽暁日融 風軽く 暁日 融ずむ 溟漠柳煙中 溟漠 柳煙の中 杏老含霜白 杏は老い 霜を含んで白く 桃新照水紅 桃は新しく 水に照って紅なり 横窓修竹影 横窓 修竹の影 斜壁海棠空 斜壁 海棠は空し 楼外一天雪 楼外 一天の雪 梨花千樹叢 梨花 千樹の叢 效李義山体 許景樊（朝鮮） 鏡暗鸞休舞 鏡 暗く 鸞は舞を休む 梁空燕不帰 梁 空しく 燕は帰らず 香残蜀錦被 香は残す蜀錦の被 涙湿越羅衣 涙は越羅の衣を湿らす 驚夢迷蘭渚 驚夢 蘭渚に迷う 軽雲落紛閨 軽雲 紛閨に落つ 西江今夜月 西江 今夜の月 流影照金微 流影 金微を照らす 2004/03/01 Copyright(C)1999-2004 by Kansikan AllRightsReserved 石九鼎の漢詩舘 無断で複製・転載することを禁じます |