| 中国歴代女子詩選 明代女子詩選 哭夫 潘氏（明） 不幸我夫隕帝州 幸ならず我が夫 隕帝州 に隕る 扶棺千里豈勝愁 棺を扶す千里 豈に愁に勝らん 只知誦読頻労力 只だ知る誦読の 頻りに力を労すを 誰料功名未到頭 誰か料らん功名の未だ頭に到らざるを 父母恩深安得報 父母の恩深く安くんぞ報ずるを得ん 夫妻情重幾時休 夫妻の情重く幾く時か休せん 西川面目何由見 西川の面目 何に由って見る 膓断西風血涙流 膓断す西風に血涙 流る 寄去公詩 翠翹（明） 一点芳心尚未灰 一点の芳心 尚を未だ灰ならず 那知浪性効王魁 那ぞ知る浪性 王魁に効らう 楊花有力隋風舞 楊花 力あり 風に隋い舞う 葵霍留心向日開 葵霍 留心 日に向って開く 萬斛愁腸凝画錦 萬斛の愁腸 画錦を凝らし 両行珠涙湿香腮 両行の珠涙 香腮を湿らす 幾回漫把簾高捲 幾く回か漫に簾を把って高く捲く 不見尋巣旧燕来 巣を尋ぬる旧燕の来るを見ず 絶客詩 豫章婦（明） 失翹青鸞似困鶏 失翹す青鸞 困鶏に似て 偶随孤鶴到江西 偶々孤鶴に随い 江西に到る 春風桃李空嗟怨 春風 桃李 空しく嗟怨す 秋水芙蓉強護提 秋水 芙蓉 強いて護提す 仙子自居蓬島境 仙子 自居 蓬島の境 漁郎休息無陵渓 漁郎 休息 無陵の渓 金鈴掛在花枝上 金鈴 掛げて花枝の上にあり 不許流鴬声乱啼 許るさず流鴬の 声 乱啼を 寄外 黄氏（楊慎妻） 雁飛曾不到衡陽 雁飛 曾って衡陽に到らず 錦字何由寄永昌 錦字 何に由てか永昌に寄せる 三春花柳妾薄命 三春 花柳 妾は薄命 六詔風煙君断腸 六詔 風煙 君は断腸 曰帰曰帰愁歳暮 曰く帰る曰く帰る 歳暮に愁う 其雨其雨怨南陽 其の雨 其の雨 南陽を怨む 相聞空有刀環約 相い聞く空しく刀環の約あるを 何日金鶏下夜郎 何に日か金鶏 夜郎に下らん 庭中牡丹盛開以詩賞之 馬氏（明） 翠霧紅雲護短牆 翠霧 紅雲 短牆を護る 豪華端称作花王 豪華 端称 花王と作る 洛陽宮裏楊貴酔 洛陽宮裏 楊貴の酔 呉国台前西子粧 呉国台前 西子の粧 芳露淡匀腮粉膩 芳露 淡匀 腮粉に膩る 暖風軽度口脂香 暖風 軽度 口脂の香り 開時亦自知珍重 開時 亦自ら珍重を知る 静鎖春風白昼長 静かに春風を鎖し白昼 長し 越城懐古 孫夫人（明） 海国凄凉千載恨 海国 凄凉 千載の恨 涛涛都付水流東 涛涛 都て付す水流の東 千年覇越人何在 千年 越を覇す 人 何くに在る 一戦呑呉事已空 一戦 呉を呑し 事 已に空なし 弱柳新随黄鳥転 弱柳 新たに黄鳥を随えて転ず 荒台猶在緑煙籠 荒台 猶を緑煙の籠める在り 只今惟有稽山月 只今 惟有り稽山の月 曾吐金輝照故宮 曾つて金輝を吐き故宮を照らす 中愁感懐 董夫人（明） 晴光万里遍長城 晴光万里 長城に遍し 玉鏡高懸処処明 玉鏡 高く懸げて処処 明なり 故国登楼魚鳥近 故国 楼に登れば 魚鳥 近く 他郷作客夢魂驚 他郷 客と作り 夢魂 驚く 浮雲絶塞征人意 浮雲 絶塞 征人の意 落日深閨少婦情 落日 深閨 少婦の情 莫倚朱顔還易老 倚る莫れ朱顔 還た老い易く 年年白髪伴愁生 年年 白髪 愁を伴うて生ずる 秋懐 陸卿子（明） 衰草離離満地愁 衰草 離離 満地愁う 雲天漠漠夕陽収 雲天 漠漠 夕陽収まる 池塘水落芙蓉冷 池塘 水落ち 芙蓉 冷やか 城廓風生薜茘秋 城廓 風生じ 薜茘の秋 画角無声悲夜月 画角 声なく 夜月を悲しむ 玉壷有恨噎更籌 玉壷 恨あり 噎 更に籌 傍人欲問青嚢錬 傍人 問んと欲す青嚢の錬 滄海微茫不可求 滄海 微茫 求めるべからず 題山中古墓 徐媛（明） 葱龍曙色望中来 葱龍 曙色 望中に来る 一片寒光淨碧苔 一片の寒光 碧苔に淨し 千嶂嵯峨雲影乱 千嶂 嵯峨 雲影 乱れ 一渓虚淼鏡花開 一渓 虚淼 鏡花 開く 白楊寂寂啼鳥悄 白楊 寂寂 啼鳥 悄える 芳草萋萋過雁哀 芳草 萋萋 過雁 哀なし 惟有北[亡 卩]深夜月 惟だ北[亡 卩] 深夜の月あり 幽光常照古陵台 幽光 常に照らす古陵台 2004/03/10 Copyright(C)1999-2004 by Kansikan AllRightsReserved thhp://www.ccv.ne.jp/home/tohou/rek26.html 石九鼎の漢詩舘 無断で複製・転載することを禁じます |