清明上河図>14
             清明上河図 ・14
           独断・清明上河図を旅する


「虹橋」の上には多くの人達が往来している。河の流れに翻弄されている船を懸命に立て直そうと、している作業の人達に嬌声を上げて眺めている野次馬たち。なにもするでなし所在なげに水面を見ている者。肩を連ねて欄干にもたれいる者。せわしく急ぐ通行人。その中に縦長の駕籠を担ぐ者。

馬に乗った役人ふうの者、驢馬に跨り少々威張り気味の者。天秤棒を担ぐ者。この雰囲気から、雑踏と喧騒が伝わってくる。

禁令を破って、この橋の上で数多くの露店が店を開いている。北宋時代の庶民や商売に精を出す者たちの生活の鼓動が伝わる。露店を仔細に見てみる。ハサミ、小刀、包丁、など刃物を商いにする店。靴屋、食べ物屋、縄のような物を売る店。これらの露店には傘や葦を正方形に編み、日除けにしたもの実にリアルに描かれている。


                    


興味をそそられるのが「鋸屋」。「枠付き鋸」中国では枠付き鋸は有名で現在でも使用されている。日本では現在、沖縄県だけで使われていると伝えられる。この枠付き鋸は、江戸時代に入ると消滅したと言う。

橋の手前には、日傘に「餃子」か「飲子」らしき文字をかいた短冊が下がった露店が目につく。一輪車が道の中央をこちらに向ってくる。その驢馬に曳かせた一輪車は、一人が前を、もう一人が後から押して進む。車は大きくない。大人の身の丈より低く感じられる。木製の鉄輪の車と思われる。車両輪の両サイドに施す荷台には荷物を載せて振り分けに積んでいる。一輪車、二輪車が多く見られる。

この「清明上河図」を見て気が付くのは、四つ車が見当たらない。道路事情ばかりではなさそうだ。やはり運搬は振り分け人足。船に頼っていたのだろうか。四輪者が現れないのが不思議でもある。


                


大きな酒楼が見えて来た。酒楼の前に一輪車が止まって、何か荷物を積みこんでいるようだ。俄然、興味津々。絵巻き物に入ってゆく。
参考資料;中国歴史を歩く。大塚清吾著



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