清明上河図>15
             清明上河図・15
             独断・清明上河図を旅す

高い櫓が組まれていて、上にはたくさんの木材で組み飾られている。酒楼特有の門飾りも見える。その上の方から突き出た棒に下げられた青白の旗には「新酒」と大きな文字が染め抜かれている。門の左右には「天之」「美禄」と二文字づつの聯が掛けられて、そよ風に揺れている。この彩楼歓門は二階建ての大規模な店で、店内の様子も酒亭らしい

(彩楼歓門)については「東京夢華録」に記載されている。歓門は、後周の太祖が開封を訪れた際に初めて設置されたものであると言う。


                

「天之美禄」とは酒を美称した言いかたで、新酒の旗を見た通行人は新酒の出た時期を感じ、飲兵衛たちは期待しながら店の門の暖簾をくぐったであろう。左手のぼんぼりには「脚店」と書かれているのに気付く。「脚店」は現在の「支店」を言う。本店のことを「正店」といい、画巻の後半に現われる。

賑やかさ、優美さは文人墨客の遊ぶところで、運河をゆったりと船で行くと、酒に酔いしれて、遊女とさんざめく人々の声が聞こえそうだ。また開封の街には巨大な酒楼が幾つもあったことが知られている。

                     


開封は、現在でも「夜市」が有名である。夜市とは夜店で無く、商店の夜間営業のこと。唐末から市制の崩壊につれて、商店の市中への自由な進路となり夜禁も緩んできた、唐代には日没と共に市内の各ブロックの門が東西の市場の門も閉ざされ、市民の夜間外出は禁止されていた。



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