清明上河図>18
            清明上河図・18
            独断・清明上河図を旅す


宋代は都市の時代だという。唐から北宋にかけてと都市制度が大きく転換したことによる。と伝える。中国は貨幣は銅を使用するのが常であった。

宋代は『銭を担ぐ人』。銭の時代だった「中央公論社刊。貨幣経済の時代」。『銭』は円形方孔で中の穴に紐を通して運ぶのが通例だったと伝える。

因みに「銭」のことをl「漢詩」ではどのような詩語を使うか≪漢詩別類詩語便覧≫を繙いてみた。《緡銭》⇒さしに通した銭。《孔方》《方兄》《白水》《方圓》⇒銭の穴が丸く外が角。《体圓》⇒かたちが丸い。中には興味のある言葉で《破銭》⇒欠けた銭。もある。《銅臭》はよく使う。

清明上河図で「紅橋」と路上通行人の、此の画面に興味が湧いた。最初は何を担いでいるかと訝った。酒楼の前で一輪車に積みながら、銭さしを扱っている。何やら語らう二人の男が見える。これが《銭》だと理解するまで時間が掛かった。清明上河図関係の書籍に当たって始めて解かる

「東京夢華禄」孟元老は著す。一貫文(1000)の単位で『串』と呼んだ。人はそれで束ねて運んだ 当時は銭の絶対量が足りなかった、更に都市に集中したものと考えられる。しかもレートが複雑であり、≪富≫が都市に集まる。

宋代には≪担銭人≫と呼ばれる銭運び専門の職業があったと伝える。一日に十万人が出入りしたと孟元老は「東京夢華禄」で言う。都市の繁栄ぶりが覗える。


               





 参考資料:「東京夢華禄」孟元老・著
        入矢義高・梅原郁・訳注
           (平凡社・東洋文庫)
中国開封の生活と歳時期・伊原弘・著
               (山川出版社)
      「清明上河図」をよむ・勉誠社



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