清明上河図>19
               清明上河図・19
              独断・清明上河図を旅す


画巻の右手から続いてきた運河は紅橋から大きく上方と方向を変える。その大きく曲がった左手には川沿い、瓦屋根の店が並ぶ。画巻の町はメインストーリ右から左へと巻末まで続く中で、途中で幾つか道が上に下にと画の外に消えて行く。

道路に面した一角に、”占い師”が見えて来た。軒先には三枚の文字が書かれた札が《看命》と、読める。大道易者が机の上に商売道具を置き、横に坐るっているお客さんに、凶・吉・を看立てているところらしい。更にこの道沿いには”屋台”がみえる。大きな日傘のもとで三人が調理の仕度に余念がない。後の一人が催促しているようだ。露店の屋台は今も、その名残があるようだ。


          


画巻には様々の職業を見だす。”石炭運び屋”も珍しくない。ちゃんと店を構えている者、身体でその日の生計を立てる者、古今東西同様だ、この《石炭運び屋》さんの通る手前が水路か、池のような感じがする、毎年春になると、役所から人夫をだして、開封都内の溝掃除をする、そのとき別に穴を掘って、浚え出した泥を入れる。それを「泥盆」という。

役所から見回りが来て検分が済むまでは、これに蓋をしないから、夜間の往来には、よく気をつけねばならない。{東京夢華禄。巻三}
石炭運び屋さんが、忙しく歩く、開封の日常の燃料は石炭だった、清明の時節と雖も石炭の需要はあったのだ。民間では暖炉開きを祝い酒盛りをすると伝える。

                  

                     石炭・運び屋さん


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