清明上河図>20
                 清明上河図・20
                  独断・清明上河図を旅す

虹橋を越えて{楼門}一説には鼓楼とも言う。楼門の内側附近に商税務が描かれている(上・右図) 一日に十万人が出入りしたと孟元老が言った開封は大都市である、多様な地域から多様な人々が出入りしたことが想像される。

城門の前に(上・左図) しゃがみこんだ人物がいる。その人物の前になにやら黒い物が見える、拡大鏡で仔細に見ると《犬》のようだ!犬が横たわっている、その犬の頭を撫でている。この男、斜め前の驢馬に乗った若者に何かを叫んでいるようだ。

若者は振り返って見ている。この男、なにやら風采が上がらぬ。然し、乞食にも見えない。ちゃんとした服装のようにも見える。この犬、驢馬に蹴られたか、踏み蹴られたか!よく解からない。

(上・右図)軒先に荷物が並べられている、荷主が荷物を指差し説明している、その横に立つ吏が書付に書きこんでいる。中では一人の吏が机に台帳を開げて腰掛け、一人が書き付けを示している これは内地関税を商人から取り立てる機関である。運輸に対する税務制度の一つであり、税務の地理的位置、税務室、貨物のチェックのやり方などを傳える貴重な資料である。

(清明上河図の交通・運輸を読む。勉誠社。アジア遊学・清木場 東著)


  
                  
  
         門外寸景色                   町の中の税関所

城門から一頭の駱駝がくぐり出て来る、門外には未だくぐり抜けていない駱駝が3頭いる。当時、 駱駝を開封で見かけていることは、我が成尋も記録に残している。庶民には別に物珍しいことでも無いらしい。人々は振り向きもしていない。道路を歩く駱駝は日常茶飯事のことだったに違いない。

清明上河図は運河とその中心に位置する紅橋そして酒楼を又、中心として上下には道路とその中心に位置する楼門それと左側の酒楼を中心とした開封の都市風景を描いている。

楼門には高々と聳える楼上の建物がある。階段を上った部屋には太鼓が一つ置かれている。開門・閉門とそれ、に時刻を知らせたり、非常時などにも打ったものと、想像する。太鼓の前には「バチ」が一つ置いてある。楼の下には駱駝がくぐろうとしている。

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この楼門は寄棟の屋根に棟両端の鴟尾と隅棟に載る五つの走獣類、平座と軒下の三重・四重の斗(木+共)。どれをとっても優れた建物で他には無い。しかも、柱や梁、欄干は、どうやら朱塗りのようである。これも宋代には楼門のような国家級の施設でなければ許されない装飾であった。

『清明上河図』都市建築考。高村雅彦著
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           高々と聳える楼上の鼓楼




参考文献:『清明上河図』を読む。勉誠出版。


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