清明上河図>4

              清明上河図  
           
独断・清明上河図を旅する

1・瓦屋家の家の裏には区画を畦(アゼ)で細長く定形状に仕切られた畑が描かれている。華北独特の水の溜りやすい一定区だろうか。農地の区画の様子と農地をとりまく景観が面白く観察できます。水の不足がちな華北の典型的な農法が覗われる。

此処には農作業をする人が見当たらない。上方の樹木の下に僅か2人の人影を確認出来る。しかし農作業をしているようには見えない。朝早なのか、それとも春がまだ浅いのか。牛も馬もいるが、のんびりとしている。ずっと奥の田んぼのむこうには、朝の水汲みをする人、モッコで水がめを運ぶ人がいる。 

2・集落が断続的に続くなかに、いろんな人が往来しています。旅をする人もいる。家並みの中には普通の人家もあり、又茶屋らしいものが散軒される。瓦屋根もあれば、藁葺きもある。街道沿いには茶屋が建ち並んでいるのが印象的。

米の袋のようなものを担ぐ人々が手前に現れる。それを点検する人。この手前には運河がある。運河は(ベン河)と想像される。

清明は旧暦三月の前半の節気で、二十四節気の一つ。冬示から数えて百五日目、春のさかりの時である。陽暦では四月五日前後に相当する。中国の古くから習慣では、この日家族がつれだって祖先の墓参りをするほか、よい気候と美しい風景にさそわれて、人びとは郊外に出て花見や遊戯に時を忘れる。

清明節の前の二日間が「寒食」で、火を禁じ、冷たい食事で過ごすことになっていただけに清明の日の解放感が大きかったのだろう。
 
『東京夢華録』には振り売り、露天商、芸人、職人、サービス業、その日暮らしらしき人物、果てなどが記録されているが此処の『清明上河図』にも登場する。 


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