清明上河図>6
             清明上河図。 6
             独断・清明上河図を旅する

           
1・中央に、もろ肌ぬぎになって男。いま上衣を着ようよしているのか?今起きたばかりのようだ。今から顔と上半身をサッと拭いて上衣を着て仕事にでも出かけるのであろうか。この男の足元に注意して見ると、車輪状のもの二個と長い棒は天秤棒のようで、前後にふり分けて担ぐ担ぎ荷であろう。この男。どこで寝ていたのだろ。前の店は安宿を兼ねた安食堂にも見える。

この男。なにか風采の上がらぬ様に見える。彼は農村からあぶれ、まちで自立して生活していかなければならないのだろう。船着場の荷揚げ人夫として働くには場違いな感じだ。

まもなく、何処かで商いの品を仕入れて売り歩くのであろうか。この境界をうろつき廻ってその日暮らしの日銭を稼ぐのだろうか。船着場で働くことさえしないのか。仕事にあぶれた日々なのか。この街の人々の生活を見てゆくと興味は尽きない。


                


もろ肌ぬぎの男がいる前の店の窓際には客人が見える。商談でもしているのだろうか。裏庭が面白い。築山を設けている。階段で頂上の亭まで客を呼び込む趣向だろう。

築山の亭(あずまや)で眺めるものは田んぼや畑ばかり。船着場の酒楼。運河の船旅客は田んぼや畑の眺望が楽しい??のかもしれない。注意して絵画をみる。客人たちは、殆ど運河には眼をくれず、料亭の庭や街の雑踏ばかり眺めている。


                


2・1画面から道路ぞいの左上隣の細長い食堂らしい店の前には、すでに商いの品を振り分けの 担子に入れた少年が饅頭(マントウ)を一つ、店の主から買っている。朝飯にするのであろう。テーブルと腰掛けがセットになって並んでいる。酒亭か食堂らしい。人影はない。静かな朝。

昨夜、船着場で働く人夫達が一日の労いで賑やかな酒盛りが想像される。しかし・・・・・・テーブルの上には、なにも皿らしいものが乗っていない。・・・・不思議な絵画を読む。旅をする。

3・饅頭を買う少年の店から更に左隣に『王家紙馬』の看板が目に付く。「紙馬」とは、「紙人紙馬」竹と紙で馬の形に作り亡者・祭祀のとき墓前で焼くもの。このような物を売る店が此処に在ると言うことは、そのすぐ左の道を行くと墓地があると考えられる。驢馬に乗った人が行く。「清明上河図」所以が此処に現れている。又店先には燃やす為の高楼の紙模型が置いてある。


                
                  
  



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