中国歴史紀行  (105)      司馬遷祠墓(2)

再度この地を13年ぶりに訪問した司馬遷の墓と祠廟。以前と変り、先ず交通事情が好くなったこと。見学する人が多くなったこと。特に司馬遷の墓と祠廟の附近に見学場所が非常に多く作られていたのに驚いた。

「司馬遷祠」は開封・鄭州・洛陽を結ぶ隴海線の鉄道に沿い黄河を西にさかのぼると、陜西・山西・河南の三省が境をする渭河との合流点に達する。黄河はここで直角に折れて、北にさかのぼる。約100kmの西岸にある。


司馬遷は西漢の史学家であり文学者と思想家でもある。中国ではこのように評価されていた。特に『史記』は有名な著書。中国文学を愛好する者は座右に置き愛読する。

祠墓は山に依って築され芝秀古橋を過ぎ“漢太史司馬祠”えと進むと木牌坊が表れる。石条鋪砌の司馬古道。凹凸不ぞろいの石道が千年来仰慕者攀登の足跡を印している。“朝神道”を経て祠墓の石段を攀登すること99段、やっと山門に到る。

この間、木製牌坊上に“高山仰止”の書、磚砌牌坊上に“河山之陽”の書が仰慕者攀登に一息させてくれる。山門に登上して回顧すれば東に黄河を臨み、西に梁山を臨む。絶景に疲れも忘れさせる。

現存する祠廟は、西晉時代に建造され宋代に修復されたもの。献殿と後方の寝宮からなる。献殿には64個の石碑が陳列されていた。その奥に司馬遷の墓塚がある。寝宮中に宋代製造の司馬遷坐像がある、その表情に思わず笑みを覚える。

祠後に司馬遷の墓を認める。司馬遷墓は円形を成し、墓前には清の乾隆年間の「畢 サンズイ+元 」ヒツゲン。の題した碑蹟『漢太史公墓』と書かれた墓碑一座。上には古柏が五株。この樹木は正に『蟠若蛟龍』祠廟内外には石碑が林立する。 

                   

                威風堂々とした司馬遷祠廟 蟠若蛟龍たる古柏が一層雰囲気を漂わす


                      

                        眼下に黄河を望む



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