中国歴史紀行   (134 )
  万固寺


万固寺は山西省永済市城南13kmの中条山村麓にある。又の名を“多宝塔塔”と称し、普救寺の“鴬鴬塔”と遥かに相対峙する。ここの廟は北魏時期の創建で宋・明時代に重修された。「万固寺簡介」山門には“中条第一禅林”の扁額が掛かり醒目させる。

山門を入ると前方に隋代建築された“大雄宝殿”が現れた、仏像は無い。殿の高さ五丈、殿後方に“薬師洞”があり、洞左右には寺僧経院があり、経院と薬師洞前は翠柏緑竹が蔚然として林をなす。静かな雰囲気な佇まいが一層この禅院を引き立たせる。

南側から上に登れば塔院が現れる。彫刻を施した周壁をめぐらしたなかに釈迦塔が聳える。青磚構造の宝塔の雄姿が眼前から放さない。宝塔13層・外観平面が八角形。塔の高さ54m。頂部は塔刹が完全な形をしている。

塔身は第一層の南面に出入り口があり、塔内から螺旋階段を昇れば9層まで到る。俯瞰遠望が素晴らしい。黄河が金色のベルトのように蜿蜒と南流し、西南方面に眼を移すと崋山が手をとるように見え、足元に眼を移すと蒲州の故地の田園と山河を一望することが出来る。

塔の背後に無量殿がある。間口柱間2間の2階建てで、無量寿佛が安置されていた。いちばん奥、山頂近くには羅漢殿があり、遠近の風景を満喫する。


             


参考資料
万固寺。万固寺文物景区管理所。
中条第一禅林。
万固寺簡介。

2,02.2003

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