中国歴史紀行
               北固山

北固山は鎮江市の東北部、長江の河畔にある、“京口三山”名勝の一つ。恰も巨龍が昂首、翹尾、鎮江城東北に雄踞するが如し北は長江に臨み、絶壁が切り立つて険しいので北固山と言う。
正に名の通り遠景からその雄姿は素晴らしい。

梁武帝題す《天下第一江山》は世に著名。六朝時代、梁武帝蕭衍が北固山を遊覧した時、賛嘆禁じ得ず
“此乃天下第一江山也!”揮毫書写“天下第一江山”の六個の大字は紙箋に留めたが遺失し、宋代の著名な書家、呉[王 居]がこの六個字を新しく写いている。

前峰は又の名を“鼓楼崗”此れは唐代以前の北固山で三国時代孫権が呉から遷都を鎮江に移し宮殿を建設した。清初、宮殿は鎮江府中学、辛亥革命後は鎮江師範学校と江蘇第六中学と改築された。
又、中日戦争時期、日本軍の飛行機で轟炸され一片瓦礫場となった。

中峰は又の名を“百果山”。山上には広大茂密な松柏林が生長し、山麓に古い北固山房が有る、西面には鳳凰池があり、明代の朱元璋が曾つて此で鳳凰池に臨み議論政事を行こなった。
後峰は又の名を“北峰”と呼ぶ、懸崖絶壁、高さ58m、北固山の最高峰、長江の怒涛が岸を拍く雄姿は正に絶景、江南地方の著名な遊覧景勝地。唐代の詩人、王湾が題する詩が有る。
  
  次北固山下  王 湾
客路青山外。    客路 青山の外
行舟緑水前。    行舟 緑水の前
潮平両岸闊。    潮平らかにして両岸闊ろし
風正一帆懸。    風正さに一帆懸げる
海日生残夜。    海日 残夜を生じ
江春入旧年。    江春 旧年に入る
郷書何処達。    郷書 何この処に達す
帰雁洛陽辺。    帰雁 洛陽の辺


参考資料;中国鎮江江南風景名勝,南京大学出版社
       鎮江市交通旅行図

2004/02

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