中国歴史紀行>18>月牙泉

   月 牙 泉

昔から水と火は相容れず、砂漠と泉は同時に存在しない。しかし鳴沙山の麓に砂漠と泉が共にある。それが月牙泉(げっかせん)。旧称を沙井、俗称を薬泉と言う。鳴沙山の北麓にある、三日月形をしているので月牙泉とも言う。

約二千年と言う時を刻みながら、毎日6dの水量が絶え間なく湧き続けていると言はれている泉 月牙泉は東西218m、南北54mで深さは平均5mほど、周囲を砂丘で囲まれているにも係らずこれまで砂に埋もれてしまったことが無い不思議な泉。泉には水草が生い茂り、底が見えるほど清Kで「鉄背魚」と言う水魚。

(3cm位の水魚と言う)と「七星草」を産する。七星草は7本の細い枝があり、その枝ごとに七枚の緑で柳の形をした葉が付き淡雅な香りを放つ。妊婦の出産を促し、病を治すことが出来るので催生草とも言うと伝えられている。清代の道光年間(1821−50)編の『敦煌県志』に「甘美にして深さ測る可からず。・・・・四面沙竜なるも、一泉清Kにして、飛沙の到らざる所為り」とあり、流沙の山中に位置し、風が吹くと砂が飛び散っても、泉水の周囲を巡るだけで、泉内に落下することは無いと伝えている。不思議な流沙だ。

                      
                 

                        月牙泉

古来神仙が住む場所として、月牙泉の対岸正面に寺院が建立されたこともあった。文革時代破壊され、1部建て替えられていた。現在は住職も居ないと言う。この寺院に『厠所』が一ヵ所だけある 料金1人1角、但し本場の中国人以外(台湾・華僑)と見れば2〜3角。請求してくる、此の『厠所』の番人、印象悪い。黙って1角差し出すこと。

月牙泉の砂丘滑りは厄除けと知られている。旧暦の5月5日に砂丘に登り泉景を眺める風習があり、今でも行われていると伝える。


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