中国歴史紀行>21>火焔山とカレーズ

  火焔山カレーズ

火焔山は吐魯番(トルファン)盆地の中部にある。東西100km、南北10km、海抜500m、山頂は851mでハゲ山になっている。『西遊記』のモデルともなり玄奘三蔵は7世紀の始め此を通過し天竺へと向った。草木も無く、荒涼とした世界が広がる、古代シルクロードの旅の厳しさが伝わってくる。街の名前も”火焔山”と言う。

この山では日中気温が40℃を超えると地表温度は70℃以上となると言う。高昌王国(531〜640年)の時代から唐代にかけては新興谷と言い関を設けて守り、高昌城に入るための隘路であったと言う。

岩石が風化して奇怪な形をしている、中に入ると童話の世界に入ったような感じがする。赤色の泥岩が露出していて、夏の日光が曲折し赤色の岩壁にあたり赤い光りがきらめく雲煙がたちこみ、激しい炎が立ち昇るようにみえる。と伝えるが然し現地に立ってみると、想像していたより温和な感じがした。

         


山肌も想像していたよりは赤く無い、熱さも感じない。乾燥した風土で汗も出ない。汗が出ても乾燥するのが早いのかもしれない年間降雨量が16mm。蒸発量は3000mm。想像を絶する超乾燥地帯。山麓ではなにやら発掘作業をしている、駱駝が悠然としている。


☆ カレーズ (坎児井)

カレーズとはペルシャ語で『地下水』を意味する。吐魯番(トルファン)の生命線、天山山脈からの水が流れる地下水路。吐魯番・哈蜜(ハミ)・阿克蘇(アクス)3地区に多いが特に吐魯番盆地が最も多い。盆地の傾斜を利用し、高い所に井戸を掘り、そこから天山の底を流れる地下水を暗渠を通して、その同位にある地上に水を引くという方法。

井戸は最も深いもので67m、長さは普通3km、最も長いものは10km、トルファンには約1500本のカレーズが掘られ、縦横4000kmと言う。構造は簡単であるが、水量は安定しており、蒸発を防ぐことが出来る。吐魯番の人口約18万人はこのカレーズによる水の恩恵で、日常生活を送り、約3万haの耕地が緑に覆われ、白葡萄・ハミ瓜。長繊の綿花など実る美しい町。

トルファンの人たちは外国人に自慢話をする。中国には世界一の長い物が三個ある。誇らしげに言う。長城。 運河 「黄河と長江 」。 トルファンのカレーズ。 ごもっとも! 吐魯番のバザールは規模も大きく面白い、衣類、果物、野菜、食品など商品は多彩で色彩も目を奪うようだ、オアシスの人々の豊かな暮らしが伝わってくる。

是非試食したいのが干した果物。中でも葡萄の本場だけあり、10種類ある干し葡萄。 「烏梅」ウーメイ。漢方薬を兼ねた乾燥果物。味が抜群好い。此こにしか無い。超オススメ!

吐魯番賓館の中庭のブドウ棚の下では、夜、ウイグル族の民族舞踊ショゥーがある(有料) また此の賓館前では観光用の驢馬車(三輪者)1人40元で市内1周コースもある。

時間の余裕があれば、是非乗車することを、オススメします。
       8・16・2000



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