中国歴史紀行    (49)

  雲南省  ジ海 (シ+耳) 海
         じ   かい

ジ海はもと葉楡沢、昆弥川と言い、大理市の北部にある。形が人間の耳に似ていて、風浪が海のように大きいので ジ海という。前漢の武帝(在位前114〜前84)は西南部経由で西域に使者を送ろうとしたが、当地の住民に阻止されたので、長安に昆明池を堀削して水戦の訓練を行った。

ジ海は、北はジ源県から南は大理下関に至る、南北40km、東西7〜8km、面積246ku、 海抜は1980m。弓魚の特産地。緑色に波光が揺らめく、西岸の蒼山の万年雪と引き立てあい正に

 『下関の風、上関の花、蒼山の雪、ジ海の月』 と言われる華麗な大理の景観を形成している。

風・花・雪・月・の四景のうち、雪と月が特に魅力にあふれるれ、古くから『銀蒼玉ジ』と称えられる。因みに 『日本の琵琶湖は(面積681ku)』の大きさである。

(シ+耳)海、水面火高十餘丈。蜀中亦有火井。是水亦能生火也。火中地中、不生草木、・・・・・・・『五雑俎』
                            
   

(シ+耳)海には、水面に火が燃えて高さは十餘丈ある。四川省にもまた火井がある。これらは、水も火を生じる事実であり、五行相生の原理異なる。火山の地中には草木生えないないで・・・・・  ※湖底から天然ガスを噴出し、熱気により自然発生したとされている。これを陰火と言はれている ところから、熱気が極めて低かったと言う。

◇水亦能生火= 五行相生説では、木が火を生じ、火が土を生じ、土が金を生じ、金が水を生じ、水が木を生ずるとするが、その原理に反して水が火を生ずる例を挙げたものである。

◇不生草木= 焼け土で硫黄分などを含んでいるから、烈しく燃えるもの、硫黄などの自然発火の ためである。 『五雑俎』

  ジ海公園
大理市下関の東北2kmの団山にある。面積110ha余り。もっとも高いところは海抜2049mで、蒼山とジ海を一望できる。
                                     
        
                  

飛檐がそり上り華麗な装飾を施した望海楼に登り眺望すると、蒼空の下に万年雪に覆われた蒼山の19峰が聳える。
                
             
        

              
参考文献・ 
大理簡介。 ジ海遊覧簡介。中国国家文物事業管理局。中国名勝旧跡事典。


 2007/10/09



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