中国歴史紀行   (50)

 黒竜譚
大理を午後2,00に出発。バスで約5時間。麗江へ。夕刻近く到着。黒龍譚は麗江・納西(ナシ)族自治県の象山の麓にある。門亭を入り右の売店で 「麗江地区旅遊交通図」「麗江地区簡介」を買う。四元と2元、高いが、詳しい旅遊交通図。麗江地区は雲南省西北部、雲貴高原の横断山脈に位置する。全面積2.06万平方ku。21の民族、総人口106万人。

黒龍譚は広大で清Kな湖水に『玉龍雪山』の倒影が映じる。但し、この日は雨上がりと夕刻が重なり湖水に玉龍雪山の倒影は見ることが出来なかった。堤上には緑の樹木が生い茂る。景観は極めて良い。清朝の乾隆2年(1737)に納西族が玉泉龍王廟を創建し、乾隆帝が「玉泉龍神」と封号を揮毫したので、玉泉とも言う。

湖上には得月楼が聳え、その前面に郭沫若(1892〜1978)の筆による 『龍譚の倒影 十三峰、潜龍 天に在り、飛龍 地に在リ 玉水縦横 半里許 墨玉を体と為し 蒼玉を神と為す』と玉泉の美を尽くした楹聯を掲げる。

黒龍譚の泉水が水飛沫をあげて下方に流れる。泉水は大研鎮。四方街に縦横に流れていた。

             

芝生の上を散策中。少数民族特有樂器の音色が聞こえて来た。古色蒼然とした中で、人も疎らな場所。一瞬茫然と立ち尽くす。何とも言い難い形容の民族楽器の音色に暫し聴き惚れた。得月楼前、CDによるメロディーだ。『葫芦絲』 泰族古老の笙簧吹樂器。柔和にして婉転かつ独具特色。泰族が少時から此の民間楽器を愛用し、又、男女青年の間で愛情の伝来をする一種の方式。と説明書に言う。このCD、一枚10元。『葫芦絲』の音色は私を完全に虜にした。私は即座に50元出した、10元では葫芦絲が・・・・・。又、演奏者に対して申し訳ない。そんな気持ちで50元で買った。今回の旅で最高のモノを取り入れた。

                       

黒龍譚からマイクロバスで下山すること10分突然 前方に苔生す岩肌に流水、この世と思われない風景が眼前に現れた。小韓が〈水に脚を入れたい〉と言う。ドライバー運転手にストップを命じる。心良く停車してくれた。
彼女は早速、素足で岩肌に入った。彼女を遠景に配しシャッターを切った。今回の旅の最高傑作の一枚。

      
               
途中休憩。幽玄なメロデイーが聞こえる。少数民族が演奏する〈葫芦絲〉の音色は完全に私の心を虜にし