中国歴史紀行   (51)

     昆明 大觀楼

昆明は雲南省の首都、中国南西部に位置して、雲貴高原中部の[シ 真]盆地にある。昆明は、山紫水明、気候温暖。「春城」と呼ばれいる。緯度は東経102.2.北緯25と南に偏り、低い為、に日照時間が長く、亜熱帯気候、冬と夏の時間差が少ない。

大觀楼は昆明市街西方4kmの大観公園にある。四年前訪れた時は「大觀楼」は大修理中で参觀不可能だった。今回は新装新たにして観光客も多く参觀していた。

南は昆明湖に臨み、湖水を隔てて太華山と相対する。例によって、大觀楼の門をくぐって、側の売店で「昆明城区交通図。」「大觀楼導遊図。」「海内第一聯」を買う。一共、10元也。

康煕35年(1969)に巡撫の王継文が湧月亭・澄碧堂・華厳閣などを設置し昆明湖の湖畔に湖と川に臨んで2階立ての楼を建てて、大觀楼と名づけた。道光8年(1828)に3階立てに増築して以来、文人墨客が集り詩文を作るようになった。

  王継文の大觀楼楹聯詩詞
突兀たり楼台をみる。 此に到り懐を開く。 洗浄 俗塵 幾許ぞ。
晶宝たり水月に連なる。 自他 耀を補う。 応増 智慧 三分。

咸豊7年(1857)に楼台亭はすべて戦火で焼失し、現存するのは同治8年(1869)に再建したものであると伝える。1913年に公園となる。


       
              (2)                       (3)
(2)大觀楼に登り三潭印月を望む。
(3)大觀楼公園。四季を通じて年中、春のような気候から昆明を「春城」と異名する。今は菊花がきれいに栽培されて散策する者の心を慰める。

大観楼で特に有名な文物は、楼前の門柱に乾隆年間に”孫ぜん(ゼンは、ほおひげ)が撰した 180字にのぼる”長聯”がある。

1961年に郭沫若(1892〜1978)が訪れ、「登楼即事」と題し
 『果然たり 一大觀、山水映じて欄に憑る、睡佛 雲中の逸、テン池(昆明湖) 海様の寛、   長聯 猶 壁に在るがごとく、巨筆 信に椽の如し、我も亦 襟を披くこと久しく、 雄心 両間に 溢れる』 と詠じている。正に佳句!近代中国の巨匠、素晴らしい五言律詩に感動した。

                                 
2007/10/11




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