中国歴史紀行   (54)

  麗江・古城

麗江納西族自治県の県都大研鎮。四方街を中心とした昔ながらの町並み。宋代元年(12世紀末〜13世紀初)のころ、町づくりがはじまったと言う。麗江は、古めかしく、山紫水明な町であり、水の流れが各家を回り、柳の枝が垂れて風にそよそよと揺れている。街にも路地にも綺麗な小石が敷かれて、晴れの日には埃もない、雨の日には泥にならない。四季が春のようで、玉龍雪山の頂上には一年中千古の雪をいただいている。



               

                 少数民族
               
                   驪江城内入り口


城壁はない、町全体が網の目のように水路が作られている。石畳の道が張り巡らされ、その左右には日本の古い街並みのような2階建のナシ族の木造家屋が隙間なく軒を連ね、玉龍雪山の雪解け水から黒龍譚の泉水が水路を巡らし、古い石橋がかかり石畳の道は雨季にも、ぬかるみならない。

四方街の入り口には巨大な水車が動く。この水車を目印にすれば、迷路のような四方街に迷い込んでも、容易に帰って来られる。四方街の中心は広場になっていて、旧市街の放射状の道路はすべてここに集る。ここに市が立つ日は大変な賑わいとなる。新しい建物を建てる場合、旧市街に差し障りのないように、配慮がなされているので、昔の面影が充分に保存されている。最近、度重なる地震で災害をうけたが、住民は旧態を復元しつつ再建に勤しんでいた。


        
          朝餉の用意。           

1997年中国麗江古城はユネスコに世界文化遺産に登録された。800年の歴史をもつ麗江古城はナシ族文明の代表的なものであり、今でも完璧に保存されている少数民族の古城である。江戸時代の日本の集落かと錯覚する古城内にはナシ族独特の東巴文字などの土産物店やカフェなどが多くあり。店を覗いて、カフェでゆっくりと過ごすのも良い。高地にある麗江は空気が澄み渡り雲が低く、雲が頭の上にある、とさえ感じられた。


       

          迷路のような路地裏にもナシ族特有の売店がある

夜の麗江古城散策が素晴らしい。夕刻食事を済ませホテルからタクシーで又,古城に入った。夜には、古城内広場では,輝がり火の燃える中でナシ族の音楽演奏会も行われ一種独特の雰囲気を醸し出す。麗江古城は、漢族の街とは異なり、なぜか日本人の郷愁を呼び覚ます懐かしい街である。 古城の,と或る店で「東巴文字」独特の文物がひときわ興味をひく。ナシ族独特の民芸品が並ぶ店を巡り歩くと時間の経つのも忘れる。



              Copyright(C)1999-2010  by tohou AllRightsReserved
                      石九鼎の漢詩舘
                thhp://www.ccv.ne.jp/home/tohou/tabi54.htm
             リンクは自由です。無断で複製・転載することを禁じます