中国歴史紀行   (56)

  法門寺

扶風県の県城北10km。西安から西へ120kmの法門郷にある。
法門寺は古代シャカの舎利を安置しているところで有名だった。間口柱間5間の佛殿があり、その両側に鐘楼と鼓楼が並ぶ。佛殿の背後に大雄宝殿があり、その前方の塀に北宋の太平興国(987)の浴室霊巽記刻石をはめこむ。

舎利信仰は、釈迦の入滅後、八万四千に分けられた遺骨が全世界に流布し、それぞれの土地で霊験を表して、人々を救済するというものである。

正面の大殿内に中央の釈迦牟尼像。周囲に羅漢像が安置され、いずれも黄金色で、特異
な形相が目を引く。

                


1987年、法門寺内にあった倒壊寸前の塔を解体したところ、基壇部に4室からなる地下宮が発見された。中から佛舎利4片を含む唐代の大量の宝物が土出し、始皇帝の兵馬俑坑に次ぐ考古学的大発見と、世界的に注目を浴びた。

お釈迦様の指とされている舎利が入っていた8重の金銀の小箱、他121点の金・銀器は まばゆい程に輝いている。


                       



1981年長雨のため、塔身の半面が崩れ落ちた。また敷地内には『法門寺博物館』が設置されて、土出した宝物が一般に公開されている。この宝物展をみて人間の念力と言うものを改めて見直した。又、法門寺を見学する際は、綿密な下調べをして観覧すれば、いつそう 釈迦牟尼像など、が理解されると想う。再度訪問したい場所の一つである。


                      



 2009/10/20



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