中国歴史紀行 (58)    
      小雁塔

小雁塔は西安市の市街南方約1kmの地にある唐代建築の遺構である。
この地には唐代の中宗が684年、献福寺を建てたが、のち武則天が亡夫、高祖のために690年に改修して、建立し『薦福寺』と改称した。

景龍年間(707〜710)に塔を建立し、慈恩寺の大雁塔より小さいので小雁塔と命名した。 また大雁塔が偉丈夫なのに比べて小雁塔は ”なまめかしい夫人”と親しまれ風情をもつ。   


                           
                     
入場料(学割は通用しなかった)を支払い亭門をくぐる。園内には樹木が鬱蒼として朝雨に濡れ一層静寂さを引き立てる。勅賜薦福寺〜山門〜弥勒閣〜金剛殿跡〜大雄宝殿〜荐福暮鼓〜西長廊〜蔵経楼と回る。西側の少さな校舎から小学生の歓声が上がる。

塔は方形の密櫓式磚塔で、始めは15層であったが、何度かの地震にあい頂部が崩れ落ち現存するのは13層である。基壇は11.83m四方の方形。通高43m。形・風格ともに中国でも貴重な文化遺産で、一級の重要文化財に指定されている。

「漢中八景」では雁塔晨鐘は小雁塔を指すと述べている。
     崋嶽 仙掌 第一景。 
     太白 積雪 六月天。
     は柳 風雪 補満面。  (は⇒シ+霸)
     草堂 煙霧 緊相連。
     驪山 晩照 光明顯。
     雁塔 晨鐘 在城南。
     曲江 流飲 賦詩篇。
     咸陽 古渡 幾千年。

靄の多い西安では”朝霧の中にたたずむ小雁塔”は何時見ても心が和む。
小雁塔入場カードが洒落ている。裏面に小雁塔簡介が下記のように表す。
  一千三百年唐代佛寺。
  一千二百九十年佛岸宝塔。
  女皇武則天賜建皇宝廟院。
  陜西民族風情展示中心。
  西安旅遊十大景点之一。

 2007/10/25


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