中国歴史紀行     (61)
   水 陸 庵

藍田県の県城東方10km。西安市から50km(藍田―西安・高速道路)の道路沿い、普化鎮の王順山の麓にある。青山が聳え(俗名。蓮花山)、河が巡るなか、三方を水に取り囲まれて孤島のような形をしている所に達つので、水陸庵と言う。                            


              

                     水陸庵外景

水陸庵簡介によると:水陸庵は六朝古刹悟真寺の大殿の部分である。南は玉山に依り、北はハ水に臨む。藍水の河の中心の島上に位置する。中国佛教浄土宗の発祥地の一つである。国内外で盛名を享有する。水陸庵は明代の塑像3700余りを現存する。漢中の名勝旧跡の一つ。  

 ここでは「壁塑大観」で知られ、中国西安藍田水陸庵文物管理所が管理している。入館料、一人20元、殿内に入り「水陸庵・内部資料注意資料」「水陸庵・藍田県導遊図」他・3冊50元を購入する。早速・女服務員(ガイド料・40元)導遊料は少々高いが『庵』の内容は逸品だった。


                       
                       石造『贔屓』(亀の一種の名前)

水陸庵の背後の蓮花山は導遊員の説明通りお釈迦様が横たわる形容がまさにピッタリする。尼姑庵(和尚)⇒母を記念する為に建造したと言う 石造『贔屓』(亀の一種の名前)に圧倒される。

館内園庭の、丁香・拐棗・紅梅・金銭吊胡蝶・紫荊・爬柏凌霄⇒蝋梅(430年・明代)由来が有る 殿内にある色彩の泥塑像の壁は彫塑の逸品と知られ、連環塑像の形式を採用して、上下2段に分けて佛陀の説話を描く。 

山水橋梁・園林瀑布・亭臺楼閣・殿宇宝塔もあり、人物。鳥獣・諸佛・菩薩・飛天・供養人あり飛龍・舞鳳・獅子・麒麟・象・牛などもある。

これら塑像は厳正な配置と緊密な構成で、中心を成すものと、副次的なものを明確に分け、その妙を尽くす。人物はいずれも自然な姿態と表情で、それぞれ独自の性格と心理状態を反映しており、想像力に富む逸品の芸術品である。

最後部の殿内に案内された、薄暗い中、導遊員の照らすライトに唖然とした。何百年の風雪、雨水に耐え難い姿がそこに映し出された。雨漏りの影響もあり、泥塑が無残だ、塑像の頭部が無いその数、数しれない。雨水で溶けた泥塑の塑像頭部には藁、の残骸が無残に露出している。

                                                                        
                             五百羅漢過海

「文革時代、破壊を免れた第一の理由は、当時ここに解放軍が駐在していたからだ」と、導遊員の言葉。敦煌石窟と双璧を成す。と感じた水陸庵は、未だ観光客に毒されていない。

(唐)白楽天。遊藍田山卜居 (藍田山卜居に遊ぶ)
脱置する腰下の組。
擺落す心中の塵。
行き々歌い山を望み去る。
意は帰郷の人に似たり。
朝に玉峰下を踏む。
暮れには藍水の濱を尋ねる。
幽僻土を求めるに擬す。 
安に置く疏俑の身。
本性は便ち山寺なり。
応に須からく悟真に傍なるべし。

詠日僧贈水陸庵櫻花盛開 (日本の僧の水陸庵に櫻花を贈られ盛開を詠ず)

樊維岳
櫻花怒放し 満院に香る。 
若し昔日の侵華史を忘るるならば
一衣帯水 心 相い連らなる。
花香亦薀す 三九寒。

近代名人学者幽客対水陸庵題詠。(近代名人学者幽客水陸庵に対し題詠する)その一。

『無碍一道』(日本佛教浄土宗宗務総長浄土沙門  稲岡覚順。
                                                                     


晩秋の夕日,将に「釣る瓶落とし」観覧を終わり外に出ると夕闇が迫る時刻に緊張した,1時間待つが西安行きのバスが来ない。既に附近一帯真っ暗ら,小韓も心配顔で些か青ざめている,ボクは新聞紙を丸めて通行する車両に力一杯振り回す。訪中25回と雖も,ヒッチハイクは中国では聴いたことが無い。が必死だった。

やや,,,,1輌のライトバンが停車した。運転手と同僚の二人,大雁寺附近まで帰ると言う。事情を話すと,心好く乗車させてくれた,この時ほど中国人の温情を感じたことは無かった。正に神様,仏様。1時間後,西安交通大学正門前に到着した。

お礼に100元,渡そうと差し出すが頑として受け取らない。永久に幸あれ司机達よ。非常感謝!太謝謝了!。


参考資料
水陸庵簡介
藍田県水陸庵文管所篇                                           中国名勝旧跡事典                                               9.28.01




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