中国歴史紀行
                  拙政園

拙政園は蘇州市の東北隅婁門内にあった。付近には蘇州博物館がある。園内で早速、関係資料3冊購入する。拙政園は中国の四大名園でもあり、世界遺産に指定されていた。蘇州の最大規模の古典園林に相応しく、占地78畝(中国の土地面積60平方『丈』を1畝とする)。

唐代の詩人;陸亀蒙(?〜881年)の邸宅で元代には寺になり、大宏寺と呼ばれ、明代に御史を辞職した王献臣が帰郷し寺を買い取った。後、庭園に改めて造った。《拙政》とは晋代の藩岳(247〜300)の著した「閑居賦」にある《拙き者の為政なり》から2字を取ったと言う。

園内で気がつくことは、水を利用し巧みに樹木、亭を配置している。全体の5分の3が池で占められている。建物は水面に臨み東、西、中央と3つに分けられ、中央部の池に岩と木が点在した中国伝統の石文化の実物展示が素晴らしい。

正面に築地造りの建物のには“文征明”書の《鳥鳴山更幽 蝉噪林愈静》池を望み、更に池の中央には、吾妻や式の建物の ”荷風四面”の九曲橋の支柱には《四壁家風三面柳 半潭秋水一房山》の聯が庭園を一段と引き締める。他に留聴閣、田堂六鴛鴦館がある。

この庭園の最大の見どころは『遠香堂』。初夏の時期から蓮荷の香りが遠くからので、遠香堂と命名されたと言う。美しい建物が水に映え静観なたたずまいが一段と冴え渡る。又、中国の小説で有名な『紅楼夢』に登場する《大観園》は拙政園がモデルとも伝えられる。

参考資料:江南園林漫歩,上海書店出版社
       拙政園簡介

2004/02

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