薄 暮 日の暮れかかった時のことを作詩している。広徳元年秋,?州(ろうしゅう)にての作。杜甫,この年の九月,?州に到る。 江水長流地。 江水 長流の地 山雲薄暮時。 山雲 薄暮の時 寒花隠乱草。 寒花 乱草に隠れ 宿鳥探深枝。 宿鳥 深枝を探る 故国見何日。 故国 見る何の日ぞ 高秋心苦悲。 高秋 心 苦だ悲し 人生不再好。 人生 再び好からざる 鬢髪白成糸。 鬢髪 白くして糸を成す [詩語解] [薄暮] 暮れに迫る。暮れ係る時をいう。 [江水] 嘉陵江。 [探] 探る。一作擇。 [詩意] 江水の長く流れ行く所,山の雲の暮れかかった時,寒そうな哀れに咲いた花は乱れた草の中に隠れている,宿りを求める鳥は奥深い木の枝を探している。古里は何時,見ることが出来るだろうか。空高き秋に当たり私の心は非常に悲しい。人生はもう一度好い時は出来ない。鬢(びん)の毛は白くて糸の様に成ってしまった。 水墨画; 嘉陵江之圖 Copyright(C)1999-2011 by Kansikan AllRightsReserved ie5.5 / homepage builder vol.4"石九鼎の漢詩舘" |