寄��適 作者が（杜甫）成都に居したとき，��適の新任に就いて寄せたもの。寶応元年四・五月頃の作。 楚隔乾坤遠。　　　　楚隔りて　乾坤　遠し 難招病客魂。　　　　招き難し　病客の魂 詩名惟我共。　　　　詩名　惟だ我共にす 世事與誰論。　　　　世事　誰と論ぜん 北闕更新首。　　　　北闕　新首　更る 南星落故園。　　　　南星　故園に落ち 定知相見日。　　　　定めて知る相見るの日 爛漫倒芳樽。　　　　爛漫　芳樽を倒さむことを ［詩語解］ ［寄��適］　��適によせた詩，［��適，702-765。辺彊守備・従軍詩が多い ［乾坤］　天地。 ［招魂］　魂を招くとは，此処では故郷へ自己の魂を呼び難いという意。 ［病客］　作者・自身のこと。 ［詩名］　��適の詩を善くうるとの名声。 ［北闕］　長安城の北門。 ［更新首］　粛宗が崩じて代宗が之にかわり即位す。 ［南星］　南極老人星，以て��適に比す。 ［落故園］　故園とは成都浣花渓の草堂，��適が成都に赴任することを南星が故園に落ちる，という意。寶応元年四月十八日丁卯粛宗崩じ，二十八日，代宗即位す，��適蜀州刺史より厳武に代わり西川節度使・成都尹となる。 ［相見］　面会する。 ［爛漫］　酒にて酔っぱらう。（芳樽かぐわしき故 ［詩意］ むかし楚に属していた此の蜀の地は都とは，隔っていて天地茫茫として遠い。所以，とても此の病客の魂を都の方へ呼び戻すなどは出来ない。君は詩名に於いては自分だけが之と共にしてきたが，自分は世間の事に就いては誰と共に之を語りあおうか。このたび北方では新天子が即位するそうだが，此処の地では南極星というべき君が我が此の第二の故郷に落ちてきた。必ずやお互いが面会する日に於いては酔いどれに成って酒樽を飲み倒すことであろう。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Copyrightc 1999-2011"(Kanshikan)"All rights reserved. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　IE６ / Homepage Builder vol.