2012秋
文月
駄目と思うと上手く行き、行けると思うと駄目になる。結構あることなのか。例のビックシューター、あっさりと終わってしまった。前回確か、再び釘が開き、客付きも上々と言ったことを書いたはずだ。正直俺もしばらく持つと思っていた。あまり勝たぬように、週に数回数時間ばかり楽しませてもらっていた。羽根物は本当に面白い。一発の玉が、僅か数ミリ、否、コンマ数ミリのことで天国と地獄に分かれる。それが目の前で、分かる形で展開されるのだからアツイことこの上ない。ローターをくぐった玉がまっすぐにXをいためた時、腰が一瞬浮くほど嬉しいものだ。当たっても外れてもこれほどドキドキするものはない。正直勝ち負けなど二の次ほどだ。
だが、イナゴがやってきた。k楽のシャカシャカをやっていた兄ちゃんが朝から晩まで打ち捲くる。まあ、利に敏い輩、いつかはやってくると思っていたが。当然、そうなれば持つはずもなく、滅茶苦茶に釘はされ、この度の新装であっさりと外れてしまった。これでこの店のバラエティに羽根物が入ることはないだろう。寂しい限りだ。またしても別れを告げることが出来なかった。残念だ。さようなら、ビックシューター。短い間だったけど有難うございました。
基本データ
大海物語2MTE
大当たり確率 348.6
さて、これで俺の身の回りには羽根物が全て消えてしまった。当てもなく、フラフラ夢遊病よろしく、ある日店を覗いてみると海シリーズが目に入った。またフラフラと見てみると存外命釘が広い。フラフラついでに一寸弾いたしだい。
実のところ、海シリーズを打つのは随分とぶりだ。人気の海はどうも苦手で長年敬遠していた。だが、今、潜伏確変とか、ショート連荘機やラウンド変化、出玉が異なるなど、変則的な機種の盛りにこの確変+時短のシンプルな機種は好感が持てるというもの。かてて加えて等価全盛の折、所謂ボーダーですら探しにくい状況の中、珍しくHK店ではこれの釘が開いている。入替後ずっと釘が閉まっていた。渋過ぎか、はたまた飽きられたか、客が飛び再び開けられた。何れにせよ、これだけ開けば打ってみようものと打ったのが、三日前のこと。その結果、30k入れ663回させて大当たりはゼロ。その間に魚群が四回。二時間強。流石に海シリーズは時間当たり随分回せる。時間は有るが、仕事帰りでまあ大三本入れれば十分(入れすぎ)だろうと帰宅した。次に打ったのが昨日のこと。命釘はそのままだったが、風車横、道釘が閉められていた。同じく30k入れて612回。回りは落ちたが、当たりゼロは同じ。打てる釘だから一寸一勝負と軽い気持はどこへやらだ。いい加減角が出てきた。そして早番開けの今日、三度目の挑戦というわけ。三度目の正直となるか、それとも二度あることは…。
若干足早に行くと幸かそれとも不孝になるか、目当ての32番は空席だった。実は全て同じ台を打っている。雑誌によるとボーダーがk17らしい。とりあえず20回っているこの台で問題はないだろう。やはり敵を討ちたい。釘は見るとさらに閉められたようだ。命釘が狭くなっている。左が狭くなり、若干上向き、右が下げられている。序に隣も閉められている。この店は出ようが出まいが、出す時には開けているし、閉める時には閉める。パターンとしては月曜日に大きく開けて金曜日に向けて徐々に閉めて行くなど。今日は木曜日、出ても出なくても今日が最後という奴か。もっとも出なかったらこちらの玉がパンクするが。
完全に同じ台で1275回回している。気分的には当りは目前と言う気持だ。最初の1kで24回と出だしは上々。ムラなのは分かっている。でも気分は良い。結構閉められたヘソに決まる。ステージから決まっているからだな。しかし、このステージは、決まる時間帯と外れる時間帯があるのは気のせいだろうか。決まる時は続けて決まるが、決まらなくなると全く奥の穴に転がらない。時々4、5個続けて入賞することもあれば、数十発入らないこともある。ステージが左右するとあるのはこのことなのか。さて、回りは良いが一向に当らない。海は消化スピードが速くて結構だが、それは当らないと物凄く単調だ。昨日までは魚群を初めスーパーリーチになったが、今日は泡からのスーパーにすらならない。早い当りで連荘、負債の半分位は返してもらおうと思っていた。まさに取らぬなんとやらだ。10kで221回と思った以上に回せるも当る気配はない。明日は休みとことん勝負とばかり追加するが、何と20k入れて411回でスーパーリーチが一度も掛からなかった。パチプーの稼働重視ならば淡々と打てるだろうが、こちとら面白くも何ともない。正直つまらなくやめたい。だが、これだけ入れるとやめられない。まさに依存症か。乗りかかった船、ままよとばかり続行するが、周りが落ちてくる。まさに台に弄ばれているよう。430回かそこらでやっとカメのスーパーリーチに発展。ボタンを押せと出て、諦め気味にボタンを押すと右から目の覚めるような魚群が。今まで惰性で打っていたが、俄然と文字通り目が覚め一気にアツクなる。「ギュンワンギュンワン」と煽るようにスローになって「来いー」と心で叫んだ時にあっさりと一個手前で止まる。ガクッ
落胆したためでないだろうが、回りがさらに落ちてきた。最早k18も覚束ない。まあ、命釘が閉まっているのだから当然だろう。スーパーも掛からないし、回りも落ちてきた。何時もならやめるところだし、やめるべきだ。だが、やめるべきだと思うときこそ止められない。心裏腹。完全に依存症。大当りと僅かな逆転を夢見て泥沼勝負。
当りは意外とあっさりと訪れた。502回転目、泡も出ないカメとサメのダブルリーチ、カメが過ぎてスローになり、まさかと思った瞬間サメが斜めに三つ揃ってくれた。
「マジか」意味もなく心の中で呟いていた。どうでも良いこと。特にも損にもならないことは妙に当る。実は、昨日くらいから嵌りを抜けるのはノーマルだろう、という気がしていた。最初は当ってほっとしたが、カス絵柄かと落胆。今までの疲れがドッと出た瞬間。せめてもと昇格に期待するも流れはない。パチンコ打ちなら誰でも分かるだろ。何とか大当たり中にタッチセンサーが出るが、当然の如くパールは輝かず、時短に移行。一回開きの電チューに一瞬戸惑ったが、何とかほぼ現状維持で安心していたら泡予告が2度3度続く。エビでリーチが掛かった瞬間、目が覚めるような魚群が流れる。この魚群、紫色が何とも美しいな。固唾を呑んでいるとエビが三つ揃ってくれた。56回転目のことだった。もらった。地獄に仏。さあ、こうなると上昇ムード。
果敢ない夢だった。なかなかリーチが掛からない。掛かっても泡。たんたんと数字の羅列が続く。徐々に嫌な予感。そしてああ、70回か80回か忘れたがフグのリーチが掛かりまた泡。予感これまた的中。皮肉なことにノーマルでフグが三つ揃う。パチンコ打ちに仏が微笑むはずはない。結果から言えばまたパールは光らず時短も何も起きなかった。90k入れて三連荘。序でにムラだろうが、随分と回りが落ちてきた。もうどうでも良くなってきた。もうやめ。とりあえず当たったし、回りも落ちたらやる意味ないだろう。100回一寸回して泡のスーパーすらなし。今はこれまで。
27k 出玉3200個 603回転 大当たり計3回
基本データ
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