盧照  
盧照(641~680)字は子昇。河北(范陽)の人。初唐の四傑の一人)
 
   梅花落

梅院花初発。   梅院の花が初めて発くも
天山雪未開.。   天山の雪は未まだ開かず
雪処疑花満。   雪ふる処は花満つるかと疑い
花辺似雪廻。   花辺は雪の廻るに似たり
因風入舞袖。   風に因りて舞袖に入り
雑紛向牀台。   紛に雑じりて牀台に向う
匈奴幾万里。   匈奴 幾万里
春至不知来。   春至るも来たるを知らず

詩語解説;
梅花落:楽府の題名,横吹曲に属する笛の曲。
梅領:梅の名所として有名な大庾嶺のこと。江西省の南部から広東省にまたがる山脈。白居易の「白紙六帖」曰:南部の梅散じるころ,北部にある梅が始めて花を開くと言う。
天山;新彊の北部からパミール高原に接する東西に走っている山脈の名。
牀台;化粧台のこと。

詩意=:;春が来て梅の花が咲いたのに,北方に遠征した夫は未だ帰って来ない,と言う一人身の妻の嘆きを詠んだもの。

    春晩山荘率題

田家無四隣。   田家 四隣無く
独坐一園春。   独り坐す一園の春
鶯啼非選樹。   鶯 啼いて樹を選ぶに非らず
魚戯不驚綸。   魚戯れて綸に驚かず
山水弾琴尽。   山水 琴を弾じ尽くし
風花酌酒頻。   風花 酒を酌むこと頻なり

年華已可楽。   年華 已に楽しむ可く
高興復留人。   高興 復た人を留める

詩語解釈。
田家:いなか家。
綸:つり糸。
風花:風に散る花。
年華:普通は歳月に用いるが,花の咲く時に限り用いるが,此処では春の景色を指す。

詩意。
率題とは「率」=にわかに。題する。興のわくままに,或る山荘で詩を題した。詩を書きつけた。
領聯の2句は初唐をして初唐らしい。美しい明るい。現代漢詩人はここから奪胎するが意有可し。

01/19/2008   石 九鼎