磯野秋渚 磯野秋渚。（1862〜1933）字は秋卿。通称於兔介。号を秋渚。大阪府出身。書家。漢詩。詞。を好くする。 　　　　宿鴨沂　（一） 東山欲瞑夕霞燒。　　　　東山　瞑らんと欲し　夕霞　燒る 歌管楼台鎖静寂。　　　　歌管　楼台　静寂を鎖す 青錦湍痩?沙出。　　　　青錦　湍痩　?沙　出ず 依依黄柳木蘭橋。　　　　依依たる黄柳　木蘭橋 　　　　　宿鴨沂　（二） 軽煙澹紛水東西。　　　　軽煙　澹紛　水東西 何処勾蘭認旧題。　　　　何処か　勾蘭　旧題を認めん 一白寒沙連夜月。　　　　一白　寒沙　連夜の月 風情付与信鴎啼。　　　　風情　鴎の啼に信すに　付与す 　　　　悼亡代人 繍佛前頭哭玉娥。　　　　繍佛　前頭　玉娥を哭す 月寒花冷水微波。　　　　月　寒く　花　冷え　水　微波たり 念珠有限一百八。　　　　念珠　限り有り　　一百八 不串鮫人紅涙多。　　　　串けず　鮫人　紅涙　多し 　　　題王夢楼書冊 由来妙悟與禅隣。　　　　由来　妙悟　禅と隣する 将謂華亭有替身。　　　　将に　華亭　身を替えること有と謂うべし 淡墨探花非婉媚。　　　　淡墨　探花　婉媚に非ざる 三梁以外見風神。　　　　三梁　以外　風神を見る