文選 19巻    述 徳  二首・其の一  謝 霊  運 古人の徳を述べ称える詩。
謝霊運の祖先の謝安・謝玄の徳を詠じたもの。二首の一。
達人貴自我 達人は自我を貴び (達人)=見識の高い人。此処では謝玄をさす
高情属天雲 高情は天雲に属す。 (属)=つらなる。
兼抱済物性 兼ねて物を済うの性を抱き (済)=すくう。
而不纓垢氛 而して垢氛に纓らず (纓)=かからう
段生藩魏国 段生は魏国に藩たり 藩)=守る。 (段生)段干本のこと。
展季救魯人 展季は魯人を救う (展季)=柳下恵のこ 春秋時代、斉国の軍が魯国に攻め入ろうとした時、柳下恵の指示によって説き伏せた。春秋左氏伝に出ず。、
弦高犒晋師 弦高は晋師を犒い。 (弦高)=春秋時代の大商人。春秋左氏伝に出ず。 (犒)=ねぎらう。
仲連却秦軍 仲連は秦軍を却く (仲連)=斉国の魯仲連のこと。
臨組乍不緤 組に臨んで乍いは緤がず (緤)=繫ぐ。 (乍)=あるいは
対珪寧肯分 珪に対しても寧ぞ肯えて分たんや (珪)=爵の軽重により賜る珪璧
恵物辞所賞 物を恵んで賞せられるを辞し
励志故絶人 志を励まして故より人に絶れる (絶)=すぐれる
苕苕歴千載 苕苕として千載を歴て
遙遙播清塵 遙遙として清塵を播く (播)=しく
清塵竟誰嗣 清塵 竟に誰か嗣ぐ
明哲時経綸 明哲 時に経綸 (経綸)=天下を修める
委講輟道論 講を委て道論を輟め (委)=すてる。
(輟)=やめる
改服康世屯 服を改めて世屯を康んず
屯難既云康 屯難を既に云こに康んず
尊主隆斯民 主を尊びて斯の民を隆んにする (尊)=たっとび。
(隆斯民)=生活などを豊かにする
             

            


                     参考文献: 
                                        文 選(宋刊明州本六臣注)中国人民大学出版社。
                                        文 選「五臣注(中華書局)」
                                        文 選 索 引(1~3)上海古出版社。(中国)籍李慶、訳。(日本)斯波六郎:
                                        全釈漢文大系 集英社::(文 選) 小尾郊一
                                                           文選李善注引索引:研文出版:(富永一登)
                                                                                                  文選李善注の研究:研文出版:(富永一登)

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