故事成語考>4>漢書
                 故事成語考   
           漢書 1
     家家給し人人足りる (貢禹伝)
     衣帯を解かず     (王莽伝)
     烏孫公主       (西域伝)
     王佐の材       (董仲舒伝)
     貝殻で海を測る    (東方朔列伝)
     汗血馬         (武帝紀) 
     雁書          (蘇武伝)
     箕山の節        (鮑宣伝)
     挟書の禁        (恵帝紀)
     曲突薪を徒す     (霍光伝)
     琴瑟調わず      (董仲舒伝)
     剣を売り牛を買う   (循吏伝)
     壷中の天        (方術列伝) 



家家給し人人足りる (家給人足)
(漢書・張良列伝)世の中が繁盛している例え。人人も生活に満足して、社会全般が裕福で繁盛して、平和なことを言う。

衣帯を解かず(不解衣帯)(漢書・王莽伝)
不眠不休で仕事に努めること。着替えもせずに、仕事にあたる。陽朔年間に伯父の大将軍鳳の病気が重くなった。王莽は看病に当り、自分で薬を嘗めてみた。髪は乱れ顔には垢がいっぱいで、着替えもしないことが、何か月も続いた。

烏孫公主(烏孫公主)
(漢書・西域伝・烏孫公主・悲愁歌) 政略結婚の犠牲となった悲しい女の運命。漢の武帝の兄の江都王の子、名は細君。武帝の従孫。漢の武帝は北方の蒙古の地に強盛を誇っていた匈奴を挫く為、紀元前114年ごろ張騫をつかわして同盟を結ぶ。前105年ごろ、この従孫を娘として烏孫王に嫁がせ婚姻関係をもった。そして匈奴に大打撃を与え、以前から匈奴に服従していた西域諸国を漢王朝に服従させる原因とした。王昭君と好一対をなす故事で有名。

王佐の材 (王佐之材)
(漢書・董仲舒・賛)帝王を補佐することの出来る勝れた才能。劉向が言った。董仲舒には君主を補佐する才能があります。伊尹・呂尚でも之れ以上出来ません。

貝殻で海を測る (以貝殻測海)
(漢書・東方朔列伝) 自分の狭い見聞をもとにして大きな問題を議論することの例え。「管で天を覗き、瓢箪で海を測り、草の蔓で鐘を突く」

漢血馬 (漢血馬)
(漢書・武帝紀)名馬のこと、転じて勝れた人物の例え。西域地方に産し、一日に千里も走り、血のような汗をかく馬。転じてすぐれた人物をいう。

雁書  (漢書・蘇武伝)
手紙のこと。天子が上林苑で雁を射た。足には絹に書いた手紙がついて、武たちは沢に居ると書いてあった。

箕山の節 (箕山之節)
(漢書・鮑宣伝) 隠遁して自分の節操を守ること。堯帝は許由に天子の位を譲ろうとしたが、許由は汚れたことを耳にしたと言って頴川で耳を洗い箕山に隠れて節燥を守ったと言う故事。

挟書の禁 (挟書之禁)
(漢書・恵帝紀) 蔵書禁止の命令。秦の始皇帝の時、民間の知識人達が法令が出る毎に批判をしたので、丞相の李斯の進言を入れて書物の私蔵を禁じた法律。(類)焚書坑儒。

曲突薪を徒す(曲突徒薪)
(漢書・霍光伝) 禍を未然に防ぐ例え。ある客が来て、真っ直ぐな煙突の傍に薪が積んであるのを見て、薪を早く移すように勧めたが、主人は応じなかった。ところが、俄かに失火し、村人の救援で消火した。そこで牛を料理し酒を設けて謝宴をはった。ある人が言う「客の前言に従えば、牛も酒も費やさずに済んだのに」

琴瑟調わず(琴瑟不調)
(漢書・董仲舒伝)夫婦の不仲の例え。琴や瑟の音が調和しないで、調子が狂うこと、夫婦が和合しない例え。

剣を売り牛を買う (売剣買牛)
(漢書・循吏伝)戦争に使う武器を売り払い、牛に買い代えて農業に従事する。戦を辞めて実業につく。

壷中の天 (壷中之天)
(漢書・方術列伝)別世界。漢代に壷公と言う薬売りがいた、一つの壷を店頭にかけて、夜になるとその中に飛びこんで寝ていた。ある時、費長房と言う人がこれを見て不思議に思い、翁に頼んで共に壷の中に入ってみた中には立派な御殿が美しく建ち、旨い酒や肴が一杯あり、共に飲んで帰って来たと言う故事に基ずく。



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