故事成語考>6>漢書
                故事成語考  6 漢書

                漢書・3
                薪を抱いて火を救う (董仲舒伝)
                竹帛の功    (蘇武列伝)
                朝令暮改   (食貨志)
                天の美禄    (食貨志)
                枚を銜む    (高帝紀)
                壁 光     (匡衡伝)
                眉を伸ぶ    (薛宣列伝)
                凌雲の志   (揚雄伝)
                醴酒設けず  (楚元王伝) 



薪を抱いて火を救う (抱薪救火)
(漢書・董仲舒伝)害を除こうとして、かえってその害を大きくする例え。『法律が現れて人民に悪い心が生じ、命令が下って、さらに言葉巧みに、偽る風が起きる。これは熱湯を加えて沸くのを止めたり、薪を抱いて火を救うようなもので、かえって勢いを増すようなもので、益のないことである。』

竹帛の功 (竹帛之功)
(漢書・蘇武列伝) 歴史に残るような功績。李陵が酒宴を設け蘇武を祝って言うに『今、あなたが帰国したら、名を匈奴にあげ、手柄は漢の王室に知れます。昔の史書に残っていることでも、絵画に描かれているものでも、どうしてあなたに勝りましょう』

朝礼暮改 (漢書・食貨志)
法令が出ることが頻繁であてにならないこと。むやみに命令や法律を変更すること。『割り当ても取り立ても時期に従わず、朝に命令を出して夕方にはそれを改めています。』

天の美禄 (天之美禄)
(漢書・食貨志)酒の別称。『酒は天の美禄であって、天子が天下の人民たちを養ってゆくものであり、神のお祭りや幸福のお祈りも、衰えた体をたすけ、病んでいる身を養うのも、酒でないと、上手くいかないものである』

枚を銜む (銜枚)
(漢書・高帝紀)口を閉ざしてしゃべらせない。『章邯は夜になって枚を銜んで、頃梁を定陶の地に撃った。』

壁光 (漢書・匡衡伝)
苦学することの例え。漢の匡衡は一生懸命勉強をしたいと思ったが、家が貧しいため油が買えず、灯火を着けられなかった。そこで壁に穴を開け隣家の明かりで読書した。

眉を伸ぶ (伸眉)
(漢書・薛宣列伝) 心配がなくなる。安心すること。『私は、あなたが自分から進退を考えられることを望みます。そうすれば、また後で眉を伸ばすことが出来るでしょう。』

凌雲の志 (凌雲之)
(漢書・揚雄伝) 俗世間を超越する志。立身出世をのぞむ志。『世間離れがしていて、凌雲の志がある。』

醴酒設けず (醴酒不設)
(漢書・楚元王伝) 客を待遇する礼が衰えること。穆生が言った『師に対する敬意が薄らぐようでは、去るべきであり、これは王が道を忘れたからである』と。



Copyright (C) 1999-2004
石九鼎の漢詩舘
thhp://www.ccv.ne.jp/home/tohou/koji6.thm
このページのリンクは自由です。無断コピーは禁止します